一からわかる!ビットコインの基礎知識Q&A

Q4. いま始めないと損?

 

後述しますが、ビットコインでは、コンピュータを使った言わば「くじ引き」で無からコインを生み出すことができ、今も約10分間に25BTCの割合で新たなコインが生み出されています。ですが、この割合は約4年毎に半減していくことになっており、2016年末ごろには12.5BTCに、その4年後には6.25BTCになっていく予定です。そして 2140年までに合計約2,100万BTCが生み出されると、それ以降は新たなコインは生成されないことになっています。

 

今後、もしビットコインを使う経済圏が拡大していくとすれば、新たなコインの供給は逆にどんどん少なくなっていくわけですから、1BTC当たりの価値は上昇していくことになります。

 

そうした思惑があって、早く始めた方が得だという考え方が、コインの所持者の間にはあるようです。

 

私は、もしビットコインを使う経済圏が拡大していけば、今より悪い経済社会が到来すると考えています。何をするにもBTCが必要なのに、BTCがいつも希少なのだとしたら、BTCを持たない者は、BTCを持つ者の言うなりにならざるを得なくなります。それは、被支配者と支配者の関係が生まれることを意味します。

 

だったら、早くビットコインを始めて、将来において自分もBTCを持つ立場に立った方がよいかというと、私はそうとも考えていません。もしそのように、現代の格差社会を増長したような状況が到来するのだとしたら、今の世界にビットコインが出てきたくらいですから、また新しいものを作ればよいのではないでしょうか。

 

 

Q5. コインはどうやって増える?

 

ビットコインでは、コインは「マイニング (採掘)」という操作により生まれます。マイニングは、基本的には、ユーザの間でのコインの受け渡しが正しく行われていることを、ビットコインのP2Pネットワークに参加するコンピュータの間の合意により承認する手続きです。ビットコインのシステム全体が正しく動いていることを保証する仕組みに参加することで、コンピュータの持ち主が、報酬として新たなコインを得られるようになっているのです。この仕組みには、相応しい計算力をもつコンピュータを所有していればの話ですが、誰でも参加できます。

 

ビットコインのP2Pネットワークは、世界中から送られる、ビットコインを用いた送金の記録を順序立てて並べ、電子的なコインが複製されて二重に使われることなく、適正に持ち主を移動させているかを検証するのが役目です。検証に成功した送金の記録は、時間的に近いほかのものと一緒に「ブロック」と呼ばれるデータ構造に配置されます。ブロックを時系列につなげたものを「ブロックチェイン」と呼びます。ブロックチェインには、全世界における、ビットコインを用いたすべての送金の記録が保管されます。

 

ブロックチェインの末尾に新しいブロックを追加することは、わざと難しくなっています。たとえるなら、P2Pネットワークに参加するコンピュータが、それぞれ当たりくじが非常に少ないくじ引きのセットを与えられ、それを1秒間に何十兆回というペースで当たるまで引き、最初に当たりを出した者だけがブロックを追加できるような仕組みになっています。そして、当たりくじを引いたコンピュータの所有者に、新たなコインが報酬として渡されるのです。これが「マイニング」の正体です。

 

マイニングで当たりくじが出る確率は、そのときにマイニングに参加している全部のコンピュータの計算力に応じて、平均して10分間に1回、当たりが出るように、大体 2週間に1回、調整されています。

 

 

Q6. 偽造できないの?

 

新しい送金記録をブロックチェインに保管しようとすると、上のように莫大な労力がかかるのですが、そのことにより、過去にあった送金を無かったことにするといった偽造は、非常に難しくなっています。

 

ブロックチェインは、送金記録を格納したブロックが時系列につながっているものですが、それぞれのブロックの中には、手前のブロックをマイニングしたときの当たりくじ(256ビットの数)がデータとして保管されるようになっています。例えば、ブロック番号42の中には、ブロック番号41をマイニングしたときの当たりくじの数が入っています。そして、あるブロックが与えられたとき、それに対応する当たりくじの数を見つけるのは非常に大変で、果てしなく、くじを引かなければならないのですが、ある数が与えられたとき、それが問題となるブロックの当たりくじかどうかを確かめるのは簡単になっています(でなければ、当たったことがわかりません)。

 

もし、ブロックの内容を書き換えると、元の当たりくじが無効になります。隣のブロックに入っている当たりくじの数と突き合わせれば、改ざんしたことがバレバレになります。ですので、もう一度マイニングをやり直して、正しい当たりくじを見つける必要があります。そして、見つかった新しい当たりくじのデータを、隣のブロックに格納する必要があり、そうすると、隣のブロックの内容も書き換わりますので、やはりマイニングをやり直さなければならなくなります。そうやって次々と、チェインの末尾まで、既存のブロックのマイニングをやり直さなければなりません。

 

ブロックチェインには、平均して10分に1個の割合で新しいブロックが追加されていきます。悪意をもつ誰かが、途中のどこかでブロックの内容を書き換えたとしたら、正規のマイニングのペースを追い越してマイニングをやり直していくだけの、ビットコインのP2Pネットワークに参加している全世界のコンピュータの計算力を上回る計算パワーを所有していなければならなくなります。それは、とても現実的には可能ではない、という意味で、ビットコインにおける過去の送金の記録は守られているのです。

 

また、個々の送金記録は、コインの正当な送り主によりデジタル署名されています。デジタル署名されているデータを書き換えると、署名が検証できなくなり、書き換えられたことが発覚します。この意味でも、ビットコインにおける送金は、偽造できないように守られています。

 

 

 

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