「ふくしまインドアパーク」の活動について ―― 放射能の影響で外で遊べない福島の子どものために

「500円の価値ない」来場者からのコメント

 

2011年12月8日に以下の内容で、オープンしました。

FacebookURL:http://www.facebook.com/fukushima.indoorpark
場所:福島県郡山市長者1-1-56 ザ・モール郡山 2F
広さ:40坪(約132平米)
時間:10:00~18:00
定休日:月曜日
対象年齢:6ヶ月~6歳の未就学児
料金:互助会員・・・500円/月で何度も遊び放題
   ビジター・・・500円/回
その他:保護者の付添い必要

オープン時から来場者に満足度調査のアンケートをとっていました。オープン当初に多かったのは「新しい遊び場を提供してくれてありがとう」という感謝のコメントと、「遊具が少なくて500円の価値はない」といった現実的なコメントの大きく2種類でした。

 

当初、走り回れるスペースが必要という認識から、距離的に余裕をもって遊具を設置したのですが、利用される親御様からみて、その余裕は寂しい感覚を与えてしまったようです。現実的なコメントを下さった方々にも価値が感じられる公園にしていくために、遊具毎のアンケートを取り、人気のない遊具の撤去と、アンケートで要望のあった遊具の追加を迅速にしていくことで、12月28日の時点でお子様の累計来場者が1,000人を超えました。

 

さらに、毎日実施する15分のプログラム(絵本読み聞かせ、エプロンシアターや制作など)を1日数回パークリーダーが行うことで、インドアパークに来れば何かしらのプログラムが体験できるようにしました。


 

プログラムを楽しむ子どもたち

プログラムを楽しむ子どもたち

 

 

また、定期的にイベントを開催することで、毎日実施しているプログラムとは異なる楽しさも提供しています。たとえば、チャイルドタッチケアーのママ向けの講座や、どうぶつ将棋体験イベント、ホスピタル・クラウンによるバルーンアートやジャグリングなどのパフォーマンスイベント、カワイ体操教室様提供の2歳児のための体操イベント、学研ほっぺんくらぶ様提供の七夕イベントなど、様々な団体や個人からのご協力を得ながら無料で提供しています。

 

こうした遊具というハードと、毎日のプログラムやイベントといったソフトを組み合わせることで、多くのお子様が来場して下さり、2012年6月5日現在で累計来場者が7,000人を超えました。

 

ふくしまインドアパークは「1年間で1万人の福島の子どもたちを笑顔に」を目標に活動しており、順調にいけば9月には達成できそうです。ふくしまインドアパークで元気に体を動かして遊んだ子どもたちが健やかに成長し、新しい福島を創る存在になっていくことが最終的な目的です。

 

 

公園デビューの場としてのふくしまインドアパーク

 

ふくしまインドアパークに娘さんを連れて遊びにいらしたお母様からお話を伺いました。かつては、娘さんにはよく一緒に遊ぶお友達がいました。しかし、そのお友達は放射能の影響を懸念して引越しされてしまったそうです。それは娘さんにとっては一緒に遊べるお友達がいなくなることを意味していました。

 

さらに、いつも遊んでいた外の公園は除染作業の計画はされているものの、いつ実施されるかもわからず、たとえ除染されたとしても、放射能の影響が不安で外で遊ばせたくないと、お母様は考えていました。そんな時に、このふくしまインドアパークがいつも行くショッピングセンターにできたのです。

 

この施設は、友達がいなくなってしまった娘さんと、安心して遊べる場所を探していたお母様にとっては、まさに「天からの贈りもの」のようであったとおっしゃってくれました。

 

放射能の影響による避難や転勤、引越しにより、地域の人や友達などのつながりは減少しています。ふくしまインドアパークは、ショッピングセンターという日常的に訪れる場所に安心して遊べ、気軽に話ができる環境を提供していることで、インドアパークで知り合い、友達になるケースも多くあります。

 

「公園で遊べなくなった現状で、どのように公園デビューしたらいいでしょうか?」「この子は生まれてから外で遊んだことがないのですが、大丈夫でしょうか?」こうした不安をパークリーダーに相談する保護者の方も多くいらっしゃいます。日々の子どもの成長状況や病気の話、予防接種のスケジュール、放射能への対応方法など気軽に話し合えるママ友の存在は重要です。こうした友達を欲しがっている方同士をパークリーダーが仲介し、積極的に「公園デビュー」を推進しています。

 

 

 

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