福島レポート

2018.05.12

福島県沖の魚への原発事故の影響は?

基礎知識

原発事故によって、福島の魚にはどのような影響があったのでしょうか? 

原発事故の直後、コウナゴなど一部の魚介類から高濃度の放射性物質が検出されたため、国は出荷制限をかけ、同時に放射性物質の検査を始めました。現在も約180種類の魚種についてモニタリングを継続し、2018年4月までに12万検体以上の魚を検査しています。

2011年4~6月では、国の基準値100ベクレル/kg以上の放射性物質が検出されることもありましたが(約57%)、2015年4月の調査以降、福島県沖で獲れた魚から、基準値を超える放射性物質が検出されることはほとんどありません。 

もともとカレイやタラ、ヒラメなど海の深い場所に住む魚種や、カツオやマグロなどの回遊魚、イカやタコからは検出されにくい傾向にありました。原発事故直後に検出された魚種でも、時間の経過とともに放射線が検出されなくなり、現在99.9%の海水魚では放射性物質が検出限界値を超えて検出されることがなくなっています。 

こういった調査の結果、試験的に漁業が再開されています。当初から検出されなかったタコなどの3種から始まり、2016年の調査結果を受けて2017年1月には97種までに拡大しました。ほとんどの魚種について市場流通可能な状態になったという判断から、同年3月には試験操業対象種の表記が「すべての魚介類(出荷制限魚種を除く)」に変更されました。(2019.4.12更新)

●参考リンク

水産物の放射性物質調査の結果について
http://www.jfa.maff.go.jp/j/housyanou/kekka.html

試験操業対象種・対象海域
http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/65-3.html