「人工放射線」と「自然放射線」とで人体への影響に差はあるのか?

すべての物質は原子から構成されています。原子の中には「陽子」と「中性子」で構成されている「原子核」があります。原子核の中の陽子と中性子の数を足した数を「質量数」といいます。陽子の数(=原子番号)が同じで、質量数が異なる(つまり、中性子の数が異なる)原子を「同位体」(または「アイソトープ」)と呼びます。

 

同位体の中には、原子核が不安定なものが存在します(放射性同位体)。これを含む物質が「放射性物質」です。不安定な同位体は放射線を放出しながら別の種類の原子核に変化します。これを「崩壊」といいます。

 

代表的な崩壊の仕方には、「α崩壊」(「α線」が放出される)「β崩壊」(「β線」が放出される)「自然核分裂」があります。α崩壊やβ崩壊に付随して、あるいはα崩壊やβ崩壊をしても安定しないときに、γ線が放出されます。γ線を出しても、原子番号や質量数は変わりません。1回の崩壊でもまだ不安定であれば、安定した原子核に落ち着くまで、数回の崩壊を繰り返します。 

 

放射線を出して崩壊する同位体(放射性物質)には、医療上の利用などのために人工で作られたものと、もともと自然に存在するものがあります。 

 

たとえば、人体にも約4000ベクレルほど含まれ、ほとんどすべての食べものにもともと含まれている放射性カリウムは「β線」と「γ線」を放出します。また、福島第一原発事故の際に飛散した放射性物質のうち、2017年現在でもっとも多く残っている放射性セシウム(セシウム137)も同様に「β線」と「γ線」を放出します。

 

放射線によるリスクは、「自然か人工か」では区別せず、すべてを合わせた被曝線量で考えることが大切です。(2018.5.25更新)

 

●参考資料

「筑波大学原子炉工学特論」(阿部豊教授)の2015年の講義の資料

 

 

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