福島レポート

2018.05.12

福島第一原発事故の食べ物への影響は?

基礎知識

福島第一原発事故によって、食べ物は放射性物質に汚染されてしまったのでしょうか?

厚生労働省が2011年9月から、全国各地で流通する食品200種類程度を購入し、放射性セシウムを測定しています(生鮮食品はできるだけ地元産・近隣産のものを購入)。測定方法はマーケットバスケット調査方式で、購入した食品を使って簡単な調理をし、一般的な家庭の食事を再現、それらを混合して測定するというものです。

この測定結果をもとに、食品から人が1年間に受ける放射線量が計算されています。たとえば2016年9~10月の測定からは、福島県全域を含む全国15地域で、食事中の放射性セシウムから1年間に受ける追加被曝線量は、0.0007~0.0014ミリシーベルトであることがわかりました。基準値の設定根拠である年間1ミリシーベルトの1%以下の線量です。

また、文部科学省が2012年3月から、学校給食で提供される食事の1食分を毎日まるごと検査しています。この結果、たとえば2016年の1年間に、学校給食から放射性セシウムが検出された件数は0件でした(検出限界値1ベクレル/kg)。 

2012年から2015年末までに検出された件数は22件でしたが、最大値は2.53ベクレル/kgで、日本における一般の機器で十分とされる検出下限値(基準値の1/10。日本の場合は10ベクレル/kg)未満でした。

●参考リンク

 流通食品での調査(マーケットバスケット調査)
http://www.mhlw.go.jp/shinsai_jouhou/dl/market_basket_leaf.pdf 

学校給食モニタリング事業 過去の検査結果概要
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1331439.htm