福島第一原発事故による放射線被曝の遺伝的影響は?

福島第一原発事故の後、福島で生まれた子どもやこれから生まれる子どもに、放射線被曝による遺伝的影響は出るのでしょうか? 答えは「次世代に遺伝的影響は出ない」です。

 

1945年に原爆が投下された広島と長崎において、原爆被爆者の子どもたち(被爆二世)を対象にした大規模な調査が現在も継続されています。

 

これは、被爆二世について、流産や死産、奇形、がん、染色体異常、小児死亡、血清タンパクの異常などの有無と程度が調査されているものです。この調査の結果、被爆二世に放射線の影響は認められていません。このほかにも、複数の遺伝子によって決まる身長や体重、頭囲、胸囲などの身体的な特徴など、さまざまな調査をしましたが、被爆二世に放射線による影響と思われる特徴は一切見つかりませんでした。

 

また、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故後に生まれた世代についても、放射線被曝による遺伝的影響は認められていません(「UNSCEAR2008年報告書」)。

 

福島第一原発事故後、福島では外部被曝と、内部被曝ともに、健康に影響を及ぼすレベルの放射線被曝をした人はいません。また、現在の福島の住民の放射線被曝線量が、他県の住民の放射線被曝量とほとんど変わらないことも明らかになっています(「UNSCEAR2013年報告書」)。

 

これらのことから、原理的に、またさまざまなデータにより、福島第一原発事故後の福島は、放射線による次世代への影響を心配しなければならない状況にはまったくないと言えます。

 

●参考リンク

放射線影響研究所ホームページ

http://www.rerf.jp/index_j.html

 

 

 

 

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