福島第一原発事故はどのくらいの深刻度だったのか?――「レベル7」の意味

世界中で起きた原発事故の深刻さの度合いを示す指標として、国際原子力事象評価尺度(INES)があります。INESは、国際原子力機関(IAEA)と経済協力開発機構(OECD/NEA)が招集した専門家グループによって、1990年に定められました。日本では1992年8月から運用されています。

 

2011年に起きた東京電力福島第一原発事故は、INESで「レベル7」と暫定評価されています。1986年に起きた旧ソ連のチェルノブイリ原発事故もレベル7だったため、2つの原発事故が並べて語られることがあります。しかし、過去にレベル7とされた2つの原発事故は、その規模や周辺地域への影響が大きく異なります。

 

 

 

 

INESでは、原子力を扱う施設で起きたトラブルを0~7の8段階に分類しています。このうち、レベル0~3までを「事象」、レベル4~7を「事故」としています。環境へ放射性物質が放出された場合は、レベル4以上の事故とされます。そしてそのレベルは「放出された放射性物質の量」をもとに判断されます。事故によって放出される放射性物質の種類はさまざまですので、これらをすべて「ヨウ素131」として換算し、比較できる数字にします。

 

INESの評価は、トラブルが起きた国の担当機関が行います。福島第一原発事故当時の日本の担当機関(経済産業省原子力安全・保安院)は、2011年3月11日にはレベル3、翌12日にはレベル4、同年3月18日にはレベル5と、放射性物質の放出に伴って段階的に評価を引き上げました。同年4月12日にレベル7とし、現在に至ります。

 

INESでレベル7と評価されるのは、「ヨウ素131換算で数万テラベクレル(テラ=10の12乗)を超える放射性物質の放出があった場合」と定められています。また、レベル7は一番上のレベルであるため、放射性物質の放出が「数万テラベクレル」を超えていれば、どんなに多くてもINESの評価はレベル7です。レベル7内の序列はありません。

 

 

 

 

チェルノブイリ原発事故における放射性物質の放出量は約520万テラベクレルでした。一方、福島第一原発事故における放射性物質の放出量は約77万テラベクレルです。チェルノブイリ原発事故と福島第一原発事故とでは、放射性物質の放出量に約7倍の差があります。この違いは、周辺地域の住民の健康や環境への影響に大きな違いを生んでいます。

 

参考リンク

国際原子力・放射線事象評価尺度ユーザーマニュアル

http://www.nsr.go.jp/data/000100839.pdf

 

 

 

 

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