東京電力福島第一原発周辺地域住民の「こころの健康度」は?

福島県立医科大学は、福島県から委託を受け、県民健康調査の一環として「こころの健康度・生活習慣に関する調査」を実施しています。調査の結果、原発の周辺に住む人々の「こころの健康度」については、東京電力福島第一原発事故直後に大きく悪化し、その後は徐々に改善しているものの、まだ全国平均レベルには届いていないことがわかりました。

 

原発事故により、福島県内の原発周辺地域に避難指示が出されました。福島県立医科大学は、避難指示が出た地域を含む13市町村(広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村、南相馬市、田村市、川俣町、伊達市の一部)の住民を対象にアンケート調査を実施しています。

 

調査では、住民のこころの健康度を示す国際的な指標「K6」を使っています。K6では、「絶望的だと感じましたか」などの6つの質問に対する回答を数値化・集計します。K6で24点中13点以上の場合、気分障害(うつ病)や不安障害などの可能性があるとされます。

 

福島県立医科大によると、2018年2~10月に実施した調査の結果、K6が13点以上だった住民の割合は、2012年の14.6%から年々減少し、2017年には6.4%%にまで下がりました。過去の研究で、国内平均(平常時)で13点以上を示す人の割合は3%ほどとされています。福島県で避難指示が出た地域の住民は、平常時の国内平均より2倍以上高い水準であることがわかります。

 

また、年々、K6が13点以上の人が減らなくなってきており、支援のあり方が難しくなっていることがうかがえます。

 

2017年の結果を男女別でみると、女性の方が高い傾向がありました(女性6.9%、男性5.8%)。過去にK6を使った全国調査でも女性の割合が高く、福島県でも同じ傾向を示していました。年代別では、若い人ほど心理的苦痛を抱える割合が高くなっていました(16~39歳:8.3%、40~64歳:7.3%、65歳以上:5.4%)

 

また、福島県内居住者に比べ、福島県外居住者が心理的苦痛を抱える割合が高いこともわかりました(福島県内居住者:6.0%、福島県外居住者:9.0%)。

 

 

 

 

福島県立医科大は、回答内容から相談・支援の必要があると判断した人に対して、臨床心理士や保健師、看護師などで構成する「こころの健康支援チーム」による電話相談を行っています。電話相談の結果、医師の診察が必要な場合は、災害時のメンタルヘルスや放射線医療に関する講習を受けた登録医師の紹介や、医療機関情報の提供をしています。

 

 

参考リンク

・こころの健康度・生活習慣に関する調査(福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター)

https://fukushima-mimamori.jp/mental-survey/

・調査後のご相談・支援(福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター)

https://fukushima-mimamori.jp/mental-survey/aftercare.html

 

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