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『わが子よ 出生前診断、生殖医療、生みの親・育ての親』(現代書館)/共同通信社会部編

 

シンプルなタイトルに具体的な副題。『わが子よ』は、2013年4月から2014年6月にかけ、共同通信社が配信した連載記事をまとめた本である。文字通り、出生前診断と、生殖医療、養子縁組の3つのテーマを設定し、「親子とは何か」という普遍的な問題を問いかけている。

 

2013年春、出生前診断の新たな検査が医療現場に導入された。検査では、ダウン症を含む染色体異常の有無を調べることができる。第1章では、そんな出生前診断を取り上げ、命をめぐる重い選択に向き合った夫婦の葛藤が描かれている。

 

川合真理さんは、知的障害のある長男を育てながら二人目を身ごもった。胎児には染色体異常が発見され、「障害がある子を、二人も育てられない」と中絶を考えるが、夫と話し合いを重ね、生むことを決意。しかし、「かわいそうな思いをさせてしまう」と、長男の世話が疎かになってしまうのではと頭をよぎる。

 

また、上の子がダウン症である佐藤泰子さん(仮名)は、二人目を身ごもった際、夫の両親から羊水検査を受けることを強く進められる。泰子さんは検査を受けるが、大きくなった子どもに「障害があったら産まなかったの?」「なんで検査を受けたの?」と聞かれるのではないか考えると、涙がこぼれてくる。検査結果は異常なしであり、誕生した子どもはすくすくそだっている。それでも、子供への罪悪感から、心に傷が残り、一時は精神科に通ったこともあった。

 

本書には多くの夫婦が登場し、それぞれの葛藤を丹念に描いている一方で、「連載をすぐにやめてください!」「障害がある人、子どもの家族からすれば、世の中にとっていらない人、子どもと言われている気持ちになり、つらくて仕方ないですよ!」と障害がある子どもを育てている読者からの手紙が寄せられていることも紹介している。

 

子を産み、育てることに正解などなく、それでも悩みぬいて決めなければいけない、という事実は重く、読んでいて息苦しさを感じるほどだった。それでも、本書にどこか希望があるのは、「わが子」たちの命の輝きを丁寧に描き出しているからかもしれない。(評者・山本菜々子)

 

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