人生の急所を守る! 同性カップルに必要な書面をつくろう

また、いくつかの書面は法律に規定があり、第三者に対する効力も規定されています。さらにそれを公証人が作成する公文書である「公正証書」にしておくことで、いっそうの法的効力を期待することもできます。公正証書で作成することが法律で決まっている書面もあります。

 

同性ふたりのどういった場面で、どういう書面が効果があるのか、かんたんに紹介しましょう。

 

 

●パートナーが倒れた! 面会したり医療者から説明が聞ける?

 

【医療に関する意思表示書】パートナーに病院での面会権を与えたい、医療者は治療方針をパートナーに説明してその意向を尊重してほしい、などの内容を明記した書面をあらかじめパートナーに託しておきます。

 

本人が意識不明などで意思表示ができない場合、パートナーは「本人の意思はこうである」と書面を提示し、面会や自分への医療説明を医療関係者に求めることができます。同時に、緊急時にパートナーに自分の情報が伝わるように、財布などに入れて「緊急連絡先カード」を携行しておくことも大切です。

 

 

●パートナーの判断能力が低下。財産管理や契約の代理はどうする?

 

【任意後見契約】認知症や植物状態などで恒常的に判断能力が失われた人にキーパーソンをつけて、財産管理や契約の代理をする制度があります(成年後見制度)。このキーパーソンを、あらかじめ自分で指定しておくことができるのが「任意後見契約」です。

 

本来は老後の認知症などに備えて行なうものですが、おたがいに任意後見人になる契約をしておくことは、ふたりのあいだに法律にもとづく一種のパートナーシップがあることにもなります。実際に判断能力が衰えたときは、裁判所への申し立てを経てこの契約を発効させてパートナーが正式に後見人となり、本人の財産管理や契約の代理をします。

 

渋谷区で条例化されたパートナーシップ証明では、この契約をしていることが証明書発行の要件となっています。

 

 

●自分が亡くなったとき、パートナーに財産を引き継ぎたい

 

【遺言】法定相続がない同性パートナー間で、財産や事業を引き継ぐためには必須の書面です。民法に規定があり、それからはずれた不適法な遺言は無効となるので、遺言の作成には正確な知識が必要です。

 

ふたりでお金を出しあって不動産を買ったときなどは、名義者の万一に備えて遺言を作成しておくことが大切です。遺言ではほかに祭祀主宰者(喪主)の指定、生命保険金の受取人の変更などもできます。

 

また、亡くなったあとの片付けについても、「死後事務委任契約」の書面を作成しておけば、なお安心です。

 

 

●ふたりのパートナーシップを対外的に明示したい

 

【同性パートナーシップ合意契約書】男女の夫婦などで最近とりかわす例もある婚姻契約書の同性カップル版。ふたりの共同生活上の合意事項をまとめておきます。

 

女性カップルなどでは連れ子への養育協力なども盛り込み、第三者にたいして双方が保護者であることを示すこともできるかもしれません(幼稚園や病院での送り迎えなどにも活用できるでしょう)。

 

こうした書面を人生の流れに応じて配置したのが、下の表です。

 

よく、同性婚がないために同性カップルは(法律婚の男女に比して)これこれのことができない、という嘆きを聞くことがあります。しかし、こうして書面を作成することで、実質的に婚姻と同様の内実を得ることができるのも確かなのです。 

 

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ずいぶんたくさんの書面があるように見えますが、(A)内容がほとんど同じである「財産管理委任契約」と「任意後見契約」は、移行型として一緒に作り(恒常的に判断能力が失わる段階になったら任意後見に切り替える)、(B)「医療に関する意思表示書」のなかに「尊厳死宣言」(終末期の意思)も入れておき、(C)「死後事務委任契約」は、片付けをするかわりに財産をあげるという「負担付き遺贈の遺言」にまとめれば、3本の書面でふたりのパートナーシップを夫婦と同様のものに近づけることができます。

 

 

ふたりで安心して最後まで暮らすために、

 

●ウエディングだけではない、ふたりに必要なこと

●同性パートナーシップを証明する書面

●お金・不動産・保険、ライフプラニングのコツ

●性的マイノリティが病気をするとき

●老後と万一時の心の準備はしておこう

 

 

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