医学研究からわかった!DHA・EPAの正しい効果と活用法

2.DHA・EPAの効果的な摂取の仕方

 

DHA・EPAを摂取しておくことで、高血圧や動脈硬化といった生活習慣病の予防が考えられています。

 

しかし、残念なことに、「何を」「どれくらい」食べれば良いのかということについてはあまり知られていません。ここでは効率の良い摂取法をわかりやすく説明していきます。

 

 

DHA・EPAを効率よく摂取するポイント

 

・普段の食事から青魚を積極的に食べる

・DHA・EPAを含む健康食品・サプリを利用する

・男性は2.0-2.4g/日、女性は1.6-2.0g/日摂取するのが良い

・多く含む食品や調理法を知っておく

・過剰摂取に要注意

 

 

2‐1.DHA・EPAを含む健康食品・サプリを利用する

 

DHAやEPAを含む健康食品やサプリメントは数多くあります。しかし、商品ごとに規格が異なり、効果が出にくかったりするものもあります。

 

そこで、DHAやEPAを手軽に摂取するためには特定保健用食品(トクホ)をおすすめします。

 

特定保健用食品は、商品ごとに有効性や安全性が科学的な実験で国により調査されています。そのため、そのほかの健康食品やサプリメントよりも効果や安全性に信頼がおけるからです。

 

 

DHA・EPAを含むおすすめトクホ

 

DHA・EPAを含む特定保健用食品として代表的なのは「イマークS」です。

 

ニッスイの「イマークS」はEPAやDHAが多く含まれており、中性脂肪の減少の効果があることが厚生労働省の審査によりわかっています。また、安全性に関しても審査されており、副作用がほとんどないことがわかっているので、私としてはDHAやEPAの健康食品では最もお勧めです

 

購入は、ニッスイのイマークS公式サイトで買うことができます。

 

 

イマークSの効果に関する医学研究

 

イマークSを用いて113人の男女で行った実験によると、摂取してから4~12週後に中性脂肪が20%低下したという研究結果が発表されています。

 

 

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日本臨床栄養学会雑誌33(3,4) 120-135

 

 

DHA・EPAの健康食品やサプリメントについては多くの他のものも検討したうえで選んでおります。どういった選び方で選んだのか、またサプリメントの形がいいという場合はDHA・EPAサプリメントの選び方とオススメサプリの記事を参照ください。

 

 

2‐2.普段の食事から青魚を積極的に食べる

 

DHAやEPAはサケやサンマ、サバといった青魚に多く含まれています。

 

普段の食事から魚を意識的に食べるようにしましょう!それだけで、特に栄養価などを計算しなくても、1日に必要な量のDHAやEPAを摂取することができます。

 

おすすめとしてはサケフレークです。手軽に取ることができ、毎日続けやすいからです。

 

さらに詳しく知りたい方のために、特に多く含む食材を紹介します。

 

 

DHA・EPAを多く含む食べ物(可食部100gあたりの含有量)

 

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効率的に摂取する調理法

 

最も効率よく摂取できる方法は刺身など生で食べることです。そうすることで栄養素が調理で溶け出さず、しっかりと摂取できます。

 

 

生で食べることができない場合

 

・ホイル焼きにする

・ムニエルにする

・煮魚の場合、煮汁も取る

 

といった調理法を心がけましょう。というのも、魚を焼いたり煮たりすると、流れ出る脂とともにDHAやEPAは減ってしまいます。

 

そこで、ホイル焼きやムニエルにすることで、溶け出した脂を野菜や小麦粉が吸ってくれるので無駄なくDHAを摂取することができます。

 

 

2‐3.1日に摂るべきDHA・EPAの摂取量

 

DHA・EPAをはじめとするn-3脂肪酸について、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2015」によると18歳以上では男性は2.0-2.4g/日、女性は1.6-2.0g/日摂取することが推奨されています。

 

 

DHA・EPAの摂取すべき量(DHAとEPAの合計)

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また、多く摂取したからといって効果が強く表れるということではないので注意してください。

 

 

2‐4.副作用

 

DHAもEPAも基本的に安全な成分です。しかし、過剰摂取(1日3g以上)すると副作用が起きることがあります。

 

出血等の場合に血が止まらないということなどが起きます。出血の部位が内臓だと死に至る可能性もあります。非常に危険ですので、必ず3g/日以上摂取しないようにしましょう。

 

また、その他の副作用として悪心(吐き下しの前の胸のムカムカ)、お腹の膨満感などが挙げられます。

 

 

3.科学的根拠のないDHAやEPAの効果と悩みの解決法

 

・頭が良くなる

・ダイエットに良い

・アトピーに効く

・うつに効く

 

これら4つに関しては科学的な論文等が全くなく、効果がない可能性が高いです。

 

この項目ではこれらに関して効果がないという科学的根拠を示しています。興味がある分野があれば是非参考にしていただく思います。私個人の意見としてはこれらの効果を謳っている健康食品は利用すべきではないと思います。

 

 

3‐1.DHAを飲めば頭が良くなるというは迷信!

 

DHAを取れば頭が良くなるなどといわれているが、効果がない可能性が高いです。頭が良くなるという表示の商品などには注意が必要かと思います。

 

 

健康な小児88名 を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA 400 mg/日または1,000 mg/日を8週間摂取させた。その結果、認知機能に影響は認められなかった 。

引用論文:Cognitive and mood effects of 8 weeks’ supplementation with 400 mg or 1000 mg of the omega-3 essential fatty acid docosahexaenoic acid (DHA) in healthy children aged 10-12 years.

 

7~9歳の小児362名  を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、藻類由来のDHA 600 mg/日を16週間摂取させた。しかし、全体では言語能力、作業記憶、行動評価のいずれにも影響は認められなかった。

引用論文:Docosahexaenoic acid for reading, cognition and behavior in children aged 7-9 years: a randomized, controlled trial (the DOLAB Study).

 

 

このように、DHAを2~4ヶ月摂取させた結果では認知機能や言語能力、記憶力など頭が良くなるといった結果は見られませんでした。

 

 

3‐2.うつ病に効果なし

 

DHAはうつに効果的とする意見があります。しかし、ランダム化比較試験という優良な研究によると科学的に効果がない可能性が高いです。この効果を謳っている商品は購入しない方がいいのではないかと思います。

 

 

高齢者302名 を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、DHAとEPAを合計400 mg または1,800 mg/日、26週間摂取させた。

しかし、不安・抑うつ尺度 (評価指標:CES-D、MADRAS、GDS-15、HADS-A) には影響しなかった。

参考論文:Effect of fish-oil supplementation on mental well-being in older subjects: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial.

 

周産期ではうつになりやすいといわれている。

妊婦126名を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、EPA 1,060 mg + DHA 274 mg /日 または、DHA 900 mg + EPA 180 mg/ 日を妊娠初期から出産後6~8週間まで摂取させたところ、うつの評価 (BDI、MDD) に影響は認められなかった。

参考論文:The Mothers, Omega-3, and Mental Health Study: a double-blind, randomized controlled trial

 

 

では手軽にうつを治す方法はないのでしょうか。残念ながら、今のところ存在しないというのが私の意見です。それどころか、間違った方法を試してうつを悪化させるケースも多いので注意してほしく思います。

 

うつを改善するためには

 

・信頼できる医師にみてもらう

・ストレスの元となる生活環境を変える

 

という2つのことが改善のための最短コースです。

 

 

3‐3.アトピーに効果なし

 

アトピーにDHAは効果がない可能性が高いです。400人を対象にした信頼性の高い科学実験においてアトピーに影響がみられなかったという報告があります。アトピーで効果があると書いてあるものには注意した方が良いでしょう。

 

 

遺伝的にアトピーになりやすい乳児420名 を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、DHA 280 mg/日、EPA 110 mg/日を含むサプリメントを生まれてから6ヶ月目まで摂取させた。

6ヶ月および12ヶ月の時点で喘息、食物アレルギー、皮膚炎、アレルギー感作といったアトピー二関連するものの発症率に有意な差は認められなかった。

引用論文:Postnatal fish oil supplementation in high-risk infants to prevent allergy: randomized controlled trial.

 

 

3‐4.ダイエットに有効ではない

 

ダイエットに対してもDHAやEPAは効果がない可能性が高いです。ダイエットに効果的といわれている商品を使う場合は、DHAやEPAを主体とする健康食品を用いない方がいいのではないかと思います。

 

 

低エネルギー食の指導を受けている肥満の成人63名を対象とした無作為化プラセボ比較試験において、

・低カロリー食の指導+偽薬

・低カロリー食の指導+脂肪の多い魚の摂取+偽薬

・低カロリー食の指導+脂肪の多い魚の摂取+EPA 420 mg/日+DHA 210 mg/日

にグループ分けし、12ヶ月間摂取させた。

 

・低カロリー食の指導のみのグループでは-4.5kg

・指導に加え魚を摂取したグループでは-4.3kg

・指導+魚+DHA・EPAのサプリでは-3.3kg

という結果となり、p<0.001で統計学的に有意な差はみられなかった。

参考論文:Foods, nutrients or whole diets: effects of targeting fish and LCn3PUFA consumption in a 12mo weight loss trial.

 

 

魚を余分に摂取した場合も、DHAやEPAのサプリメントを摂取した場合でも体重が減少したという効果はなかったことが明らかになっています。

 

 

4.DHAやEPAは健康でいるために必要な栄養素です

 

DHA・EPAは正しく摂取することであなたの将来の健康のために非常に役に立つ栄養素です。正しく理解して普段の生活にぜひ取り入れてほしくおもいます。

 

また、科学的に効果が示されていないものに関しては、DHAやEPAを試すよりもその他の解決策を実践してみてほしく思います。全く根拠がないものにお金を使ってしまうのはもったいないのではないでしょうか。

 

この記事を読んで、あなたが適切にDHAやEPAを摂取し、長く健康でいてくれることを願っています。

 

 

DHA・EPAの科学的に正しい効果と活用法のポイント

 

・科学的に根拠のある効果は2つだけ!「中性脂肪を減らす」「血小板凝集を押さえる」

・頭が良くなる、うつに良い、ダイエットに良いといった宣伝には科学的な根拠がないので要注意!

・サバなどの青魚にDHA・EPAは多く含まれます。意識的に食べてみましょう。

・DHA・EPAの健康食品については、国に個別に効果と安全性の審査を受けたトクホの「イマークS」がおすすめ!審査を通過している分、トクホ以外のサプリよりも信頼性が高いです。

 

初出;ゴーヘルシー(2015年06月03日)

 

 

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