ネコに好かれるにはどうしたらいいの!?

ネコにも相性がある!? ネコの主食は魚ではない!? 大声で呼ぶと嫌われる!? 『ネコにウケる飼い方』著者の服部先生に、意外と知らないネコの生態を伺った。ネコに好かれたい人必見! (聞き手・構成/山本菜々子)

 

 

ネコは誤解されている!?

 

――本日は、『ネコにウケる飼い方』著者で、東京猫医療センター院長・服部幸先生にお話を伺いたいと思います。とにかく、ネコについての様々な知識が詰まっている本ですよね。

猫にも利き手があったり、毛づくろいが気分転換も兼ねていたり……とても興味深く読みました。

 

ネコって誤解されている生き物だと思うんです。イヌは嬉しい時に尻尾を振ったり、とても分かりやすく表現しますが、ネコはわかりにくい。長年飼っている人は気持ちが分かるかもしれませんが、飼い始めて数日だったら、気持ちが分かりにくいんです。だから、とりあえずネコは放っておけばいいんでしょ、となってしまいがちです。

 

でも、ネコにもネコなりの主張があります。わかりにくいからこそ、ネコの気持ちを知ってもらい、こんなに面白い生き物なんだと気づいてほしくて、この本を書きました。

 

 

――ネコは誤解されているんですね。タイトルが『ネコにウケる飼い方』となっていますが、どうしたらネコにウケるのでしょうか。ネコから好かれたいです!

 

当たり前ですが、「ネコが嫌なことをしない」のが大切です。自分はやっていないと思っても、意外とネコにストレスを与える行動をしている可能性があります。

 

たとえば、大きな声で呼んで抱き上げる。人間は愛情表現のつもりかもしれませんが、ネコは基本的に大きな音が嫌いです。さらに、急に抱き上げられるのもストレスがかかりますので、なるべく避けた方がいいでしょう。

 

また、人間にそれぞれ性格があるように、ネコにもそれぞれのキャラクターがあります。飼い主だけではなく、家にやってくるお客さん全員に撫でられて喜んでいる「かまってちゃん」もいますし、かまわれるのが苦手な「放っておいてちゃん」もいます。

 

飼い主が「かまってちゃん」のペースに合わせすぎると、依存心が強くなってしまう可能性があります。「放っておいてちゃん」でも飼い主に甘えたくなる瞬間がありますので、そのタイミングでスキンシップを取ってあげる。それぞれの性格を見極めていくことが大切です。

 

 

syoei-neko

 

 

お魚くわえたどらねこ

 

――第三章では、特にネコの食事について細かく書かれていますが、食事の面で誤解されている点はありますか。

 

ネコの主食が魚だと思われているところですね。

 

 

――ええっ! 魚が好きではないのですか?

 

個人的に、サザエさんの「お魚くわえたどらねこ~♪」っていう歌のせいなのではと思っているんですが(笑)。

 

現在、ネコが好きなのは魚、例えばカツオやマグロなどだと思われていて、そういったキャットフードを見たことのある方も多いはずです。

 

魚が嫌いなわけではありませんが、ネコは基本的に陸に住んでいる生き物ですよね。野生の猫が魚なんか食べられるわけがない。ハトやスズメ、野ウサギを食べて生活をしていたはずです。

 

本来、海のものを食べられる体質ではないんですよ。一口食べただけで死ぬことはないのですが、魚を主食にした食事は栄養が偏ってしまいます。海の生き物を食べるために進化してきた動物ではないと知ってもらえればと思います。

 

 

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©猫カフェ ハピ猫 渋谷店

 

 

たとえば、イルカは魚を食べます。イルカショーなどでも、魚をあげている姿をみますよね。イルカは海に住んでいる生き物だから、魚を食べるように進化してきた。猫に魚をあげるというのは、イルカに鶏肉をあげているのと一緒なんですよ。

 

イルカショーで、イルカがチキンを丸呑みにしていたら、違和感がありますよね。陸に住んでいるネコに魚をあげるのはそういうことです。

 

イルカが鶏肉を一口食べたところで、死にはしません。でも、毎日鶏肉や牛肉ばかりあげていたらたぶん病気になると思うんです。それは、海の生き物は海のものを食べるように進化していて、陸の生き物は陸の生き物を食べるように進化している。

 

ヨーロッパの栄養学の本では、「日本やアジアでは魚をあげている」と、珍しい例として取り上げられています。

 

 

――海外からみてまれなケースなんですね。

 

なんで、猫に魚をあげているのか。日本人が魚食だったからです。いまでこそ肉食ですが、戦前までは肉なんてほとんど食べられませんよね。貴重な蛋白源が魚だったと。だから、猫も近くにいればおすそ分けをもらっていた。

 

人間が何を食べているのかによって、その隣にいる猫の食生活が変わっているんです。それは、悪いことではないと思いますが、魚が主食であるのは不自然なんだと知って欲しいですね。

 

 

――なるほど、ネコは肉食なのですね。たしかに、本には野菜は食べなくて良いと書いていましたよね。

 

基本的にはそうですね。ですが、野生のネコを考えてみてください。ウサギやネズミを食べるとき、赤身のお肉の部分だけ食べているわけではないですよね。丸呑みしているので、胃や腸に入っている草もついでに食べています。

 

ライオンがシマウマなどの餌を食べる時、まず内臓から食べるんです。太ももの肉などは後回しです。なぜなら、赤身の肉だけ食べていたら栄養が摂れないからです。肉食なんだから、ずっとカルビをあげていればいいというわけではありません。

 

内臓ごと餌をあげるのがベストですが、普通に生活していると、それってすごく難しいですよね。ですから、きちんとキャットフードをあげるのが一番良いとおもいます。

 

もちろん、防腐剤が入っているから心配、という意見も聞こえます。ですが、同じ栄養を取るために自宅で用意するとなると、サプリメントを足したり、ホルモンやレバーを足したりと、かなり厳密に栄養のことを考えいかなければいけないので、難しいと思います。【次ページに続く】

 

 著者写真 (1)

 

 

 

 

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