無理して“前向き”にならなくていい

ユーモアと明るさで(?)難病と闘う、超ポジティブ闘病エッセイ『ふんばれ、がんばれ、ギランバレー!』の著者・たむらあやこさん。医師から「一生ほとんど寝たきり宣告」をされるも、ピリオドの向こう側に挑戦し続ける彼女にとって「前向き」とは何なのか、お話を伺った。(聞き手・構成/大谷佳名)

 

【作品紹介】

ギラン・バレーに負けるもんか――。
ある日突然、国が指定する難病、ギラン・バレー症候群を発症し、出口の見えない闘病生活を余儀なくされた新米看護師・たむら。難病により身体の自由を奪われたものの、ユーモアは失わなかった超ポジティブ新米看護師が贈る、前向き闘病エッセイ!!

 

 

「ああ病気になってよかった」

 

 ――ギランバレー症候群とはどんな症状なのですか?

 

風邪などのあと、自分の抗体が自分の神経を攻撃する事で起こる自己免疫疾患です。手足に力が入らない(運動神経麻痺)等の症状がありますが、壊される神経の種類や障害の度合いにより、症状や経過には個人差があります。

 

私は急性期だけ運動神経麻痺がありましたが、それはすぐに回復しました。主な症状は深部感覚麻痺(手足などの感覚がない)と自律神経障害(失神、吐き気、腹痛、排便・排尿困難、等)です。

 

 

image003

image001

(「【第4話】 痛イイ話」より)

 

 

――どのようなことがきっかけで、この漫画を描きはじめたのですか。

 

友人が「珍しい病気だし、漫画を描いたら励まされる人がいっぱいいるだろうから描きなよ」と言ってくれた事がきっかけでした。少しでも誰かの役に立てるなら、と思いまして……。

 

 

――病気になった後の、ご家族やご友人との関わりの中で、関係性の変化や初めて気づかれたことなどはありましたか。

 

家族も友人も接し方は変わりませんが、信頼とお互いを大事に思う気持ちは深まったと思います。

 

友人は、2年も寝たきりになると本当に大切な人しか残らないので、たとえ私が大事にされなくても私はずっと大事にしたいと思います。

 

 

――第3話「やっと父になる」は、ギャンブル依存症だったお父様に変化が起こるお話でしたね。お父様の「改心」をどうお感じになりましたか。

 

 

image007

image005

(「【第3話】 やっと父になる」より)

 

 

病気になる前はとにかく逃げ回って家にいない父でしたので、私の事であんなに泣いたことにまず驚きました。口先だけではなく、本当にしっかり働いて家にお金を入れるというのも初めてでしたので、「ああ病気になってよかった」と思ったのと同時に、よほど自分の状態は深刻なんだな、と思いました。【次ページにつづく】

 

1 2
シノドス国際社会動向研究所

vol.269 

・外山文子「タイは民主化するのか?」
・中西啓喜「データサイエンスは教育を「良い方向」に導くのか?――学級規模の縮小を例として」
・笠木雅史「実験哲学と哲学の関係」
・穂鷹知美「求む、国外からの介護福祉士――ベトナムからの人材獲得にかけるドイツの夢と現実」
・久木田水生「ロボットと人間の関係を考えるための読書案内」
・吉野裕介「【知の巨人たち】ハイエク」
・内田真生「ヒュッゲ(Hygge)とは何か?――デンマークが幸せの国と言われる理由」