アップル vs. グーグル vs. フェイスブック ―― HTML5が切り開く未来 

フェイスブック(Facebook)は6月7日、App Centerの開始を発表した。ユーザーはトップ画面に表示されるメニューからアクセスし、ユーザーの関心事や過去のアクティビティをもとにパーソナライズされたアプリが紹介されるようになる。また、6月12日にはグーグル(Google)がChrome Web Storeにオフラインで使えるアプリ専用のコーナーを開設、ChromeがOSにまた一歩近づいたといわれている。

 

世界中に9億人のユーザーを持つ世界最大のSNS、フェイスブックが仕掛けるアプリの販売プラットフォームApp Center。あるいは、MacOSでもWindowsでもLinuxでも、Chromeが動いていれば共通のアプリケーションが実行できる、つまりはChromeのプラットフォーム化を展望するグーグル――。

 

米IT企業が覇権を握るべくしのぎを削る、こうした動向を読み解くキーワードが「HTML5」だ。そこで今回は、先日『日本企業復活へのHTML5戦略 アップル、グーグル、アマゾン 米IT列強支配を突き崩す』(光文社)を上梓した小林雅一氏(KDDI総研リサーチフェロー)に、「HTML5とは何か?」「HTML5の可能性はどこにあるのか?」を伺った。(聞き手・構成/芹沢一也)

 

 

「iOSでしか動かない」とか「アンドロイドでしか動かない」という概念がなくなる

 

―― HTML5とは何なのでしょうか?

 

たとえば新聞社のホームページのように、ただスタティックに記事や写真が載っていて、それを閲覧して読者が情報を得る、というのが、みなさんが思い浮かべるホームページですよね。HTML5を使うと、このホームページというものが、たんに何かを見るためのものではなくなります。

 

つまり、さまざまな動的なアプリケーション、要するに、スマートフォンでいま流行しているアプリですね、これをホームページ上で実現できる。ここが最大のポイントです。ゲームにしても、あるいはワープロや表計算にしても、いろいろなアプリケーションプログラムがありますが、それらをすべてWeb上で実現できるようにする、これがHTML5の主眼です。

 

 

HTML5対応のブラウザでは、スマートフォンのカメラから撮影したリアルタイム動画をバラバラに砕いて、その破片が動画を再生し続けるといった高度な映像処理が可能になる。写真は次世代オペラを使ってのデモの様子だが、同様のことは次世代ファイヤフォックスなどでも可能。

HTML5対応のブラウザでは、スマートフォンのカメラから撮影したリアルタイム動画をバラバラに砕いて、その破片が動画を再生し続けるといった高度な映像処理が可能になる。写真は次世代オペラを使ってのデモの様子だが、同様のことは次世代ファイヤフォックスなどでも可能。

 

―― Windows やMacOSといったOSに限定されることなく、ブラウザ上でアプリが動くということですね。その意義は?

 

ブラウザ上でアプリが動くとなぜいいのか? ブラウザにはInternet ExplorerやFirefox、Google ChromeやSafariなど何種類かあります。しかしながら、その仕様を決めているのはW3Cという世界的な標準化団体なので、動き方は全部同じになるはずなんですね。ということは、ブラウザ上でアプリケーションを動かせば、iOSでしか動かないアプリとか、アンドロイドでしか動かないアプリというのがなくなる。これによって、ソフトウェア開発者は1本のソースコードで、すべての端末に向けてアプリケーションを提供できるようになります。これがブラウザ上で動くアプリ、すなわちWebアプリの最大のメリットです。

 

ユーザーにとっても、いままでだったら、たとえばアップルから買ったアプリであれば、iPhoneやiPadでしか動かなかったのが、Webアプリであればアンドロイドのブラウザ上でも動く。つまり、いろいろなメーカーの端末で使うことができるようになる。アプリを提供する側にとっても、それを使う側にとっても、双方にメリットがあるということですね。

 

 

 

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