2016.04.03
ダイエットサプリを徹底調査! 飲むだけで痩せる成分は?
飲むだけでダイエットできるサプリメントや健康食品は果たしてあるのでしょうか?
今、ダイエットに効果的だといわれている成分について、世界中の医学論文をもとに徹底的に調べてみました。
一般的にはダイエットに効果があると思われている成分でも、実はまだ研究では全く実証されていないということが多々あります。実証されていないからと言って、効果が絶対にないとは言い切れません。効果がある可能性はありますし、プラシーボ効果(薬効成分を含まない偽薬を薬だと偽って投与された場合、患者の病状が良好に向かってしまうような治療効果)も存在します。
しかし、現在の研究が本当の所どこまで進んでいるのか。何が実証されているのか。私は医療を志す人間として、知っておきたいですし、皆さんにもぜひ知っておいていただきたいと思っています。
私たち医大生で結成したチームで、医学論文を検索できるpubmedを通じて約10,000近い論文を調査し、一つの結論に達しましたのでご紹介したいと思います。
ぜひ、参考にしてみてください。
1.ダイエットに効果ありといわれている成分の根拠別分類
ダイエットに効果ありといわれている成分や食品を根拠別に一覧でまとめました。結論から言うと、効果があることが実証されている成分はありませんでした。そのため、ダイエットに効果ありと謳っている商品にお金をかけるべきではないと私は思います。
成分が効果あるかどうかを正しく知ることで、利用するかどうか適切に判断できるようになります。それにより怪しげな商品にお金を使うこともなくなり、副作用などから自分の健康を守ることができるようになります。ぜひ下の表を何度も活用してほしくおもいます。
科学的根拠の参考としたのは
・世界中の医学論文が検索できるサイト(pubmed)
・アメリカで2500億の補助金を費やして科学根拠を調べ尽くした成分データベース(ナチュラルメディシン・データベース)
の二つです。非常に信頼性の高い研究論文のみ(ヒトRCTとメタアナリシス)根拠として採用しました。一般にいわれていることや質の低い研究は採用しなかったのでご理解いただきたく思います。
※以下のリストの詳細の検討は、「3.効果あるとする実験もあるが更なる検証が必要な成分」以降で行います。
効果の可能性がある(データ数が少なく、更なる研究が必要)
・プーアル茶
効果あるという実験も効果ないという実験もある
・共役リノール酸
・キトサン
・フォースコリー
・DHEA
信頼できる実験データなし
※これらに関してはそもそも実験データがないため効果の示しようがありません。そのため気を付ける副作用があるものに関してのみ、「5.信頼できる実験データがない成分」において検討します。
・キダチアロエ
・インゲンマメ
・モリンガ
・生姜
・ココナッツオイル
・アルギニン
・ギムネマ
・センナ
・フェンネル(ウイキョウ)
・リコピン
・キャンドルブッシュ
・アサイー
・杜仲茶
・ビタミンE(トコフェロール)
・メリロート
・オルニチン
・BCAA
効果ない可能性が高い
・フーディア
・チアシード
・グルコマンナン
・ヤーコン
・カルニチン
2.効率的にダイエットをするための代替案
飲むだけで痩せられる成分がないことはわかったことかと思います。では、食事制限や運動を前提にして、効率的に痩せる方法はないのでしょうか。
代替案として2つお話ししようと思います。
・肥満治療薬を処方してもらう
・効率的な筋トレのためにBCAAを利用する
これらを利用することによってせめて効率的にダイエットできるようになるのではないかと私は思います。ただし、しつこいようですが、食事制限や運動が必要です。
2‐1.肥満治療薬を処方してもらう
肥満外来に行きゼニカルやサノレックスといった肥満治療薬を処方してもらうのが一つ目の案です。私はゼニカルの方のみおすすめします。というのも、サノレックスは劇薬としても知られており、副作用が強力だからです。
オルリスタット(ゼニカル)はアメリカ合衆国における治験の結果、1年間の投与により5%の体重減少が見られた成人が60%、10%の体重減少が見られた成人が27%であった。一方、偽薬群では5%体重減少が31%、10%体重減少が11%であった。
このことより、オルリスタットは体重減少において有意に効果があると言える。
参照論文:医薬品安全性情報 Vol.1 No.38
ゼニカルは食事からの脂肪吸収を抑制します。それにより約6割もの人で5%以上の体重減少がみられることがわかっています。
ただし、飲むだけで痩せられる薬などではありません。あくまで食事療法の補助として用います。そのため、楽して痩せられる等の勘違いをしないようにしましょう。
また、ゼニカルもサノレックスも医薬品であるため副作用等も存在します。それらについて適切に知っておくことで自らの健康を守る手助けとしましょう。
●ゼニカルとサノレックスの入手法と費用
ゼニカルやサノレックスは肥満外来で医師に処方してもらうことで買うことができます。
費用としてはゼニカルが19000円〜50000円(1ヶ月分)、サノレックスが22000円程度です。ゼニカルは基本的に保険適用されず、サノレックスは高度な肥満(BMI>35)の場合にのみ保険適用されます。
●個人輸入は絶対にしないように!
ゼニカルを安く手に入れるために個人輸入をする方が非常に多いがやめておいた方が良いでしょう。
というのも個人輸入の薬品では偽造品が多く出回っており、他の薬などでは死亡事故などの例もあるからです。ゼニカルでも同様の状態であると思っておいた方が無難だろうと私は思います。
他の薬の話ですが、ファイザー、日本新薬、バイエル薬品、日本イーライリリーの4社による偽造ED治療薬の調査によると、インターネット流通の約56%が偽造品でした。また、それらの偽造ED治療薬による健康被害として、低血糖による昏睡などの有害事象が報告されています。2008年5月の段階で確認できた患者数40人、疑いのある患者数87人、うち4人が死亡しています。(参考文献:偽造医薬品4社合同調査)
これらのことを考えると、インターネット上で「本物である」「海外で製造されたジェネリック薬品である」といった記載を見かけても、手を出すべきではありません。
●ゼニカルの副作用
ゼニカルの副作用として
・急速に襲ってくる便意
・油っぽい便
・下痢
・便秘
・便失禁
等が確認されています。痩せるサポートとして利用できるものの、漏らす危険性があることには気をつけて利用するようにしましょう。
また、一部の人で肝機能障害が見られています。これにより食欲不信などが起こります。食欲不振などが起こった場合は直ちに病院に行き、薬を中止するよう検討しましょう。
●サノレックスの副作用
サノレックス(マジンドール)の一番の危険性は依存性です。覚せい剤のアンフェタミンと同様の特性を持つことが知られており、劇薬としてサノレックスの説明文書に記載されています。
そのため、食事療法・運動療法をして、その効果が不十分な高度肥満症患者でのみ使用するように注意書きがされています。
また、緑内障、心臓疾患、肝臓障害、膵臓障害、脳血管障害、うつ病患者では症状が悪化する可能性があるので利用すべきではないとされています。
2‐2.効率的な筋トレのためにBCAAを利用する
筋トレをし、基礎代謝を挙げることはダイエットに必要不可欠です。そうすることでリバウンドしにくくなります。
BCAAは筋トレの最中に筋肉が分解されてしまうのを抑える役割があります。筋肉の分解を抑えることで筋肉が成長するための手助けとなります。
77mg/kgのBCAAを摂取させた群とプラセボ群に分け、60分スクワットをさせた。
運動前の筋肉中のBCAA濃度は非摂取群では339±15mM、摂取群では822±86mMであった。運動後筋肉中のBCAA濃度は非摂取群では68±93mM、摂取群では816±198mMとなった。
筋肉中のBCAAの遊離は有意に摂取群で少ない結果となった。そのため、BCAAを摂取している群の方が筋組織中のタンパク質分解を抑制し、筋消耗を抑えることができると結論づけることができる。
このようにBCAAは筋肉の分解を抑える役割があることがわかっていますが、一つだけ注意が必要です。それは、筋トレをせずに筋肉がつくというものではないという点です。ときどき、飲むだけで筋肉が大きくなると勘違いされる方がいます。しっかりと筋トレをする必要があるのだと言うことは認識しておきましょう。
3.効果あるとする実験もあるが更なる検証が必要な成分
プーアル茶
●プーアル茶の効果について
プーアル茶はダイエットに効果があるという科学的データもあるが、日本で行われた一つの実験しか信頼できる研究が見られませんでした。そのため、実験データ数が少なく効果があるとはまだ言えません。更なる検証が必要であるように私は思います。
BMI25~30の軽度肥満の患者36人に対して二重盲験無作為化プラセボ比較試験を行った。実験群18人では12週間プーアル茶抽出物333mgを毎食前に摂取した。その結果、体重およびBMI、CT測定による内臓脂肪面積が低下した。
まだ効果があるとはっきり言えません。そのため過信しすぎない方がいいでしょう。少なくとも、お金をかけすぎないよう注意してほしく思います。
●副作用について
ナチュラルメディシン・データベースによると、飲料として適量の摂取であれば安全であるようです。ただし、1日5杯以上の摂取はカフェインにより頭痛や不整脈、嘔吐といったような副作用を生じる可能性があることがわかっています。
●薬との相互作用について
一緒に摂取してはいけない薬が4つあります。それらの薬を利用している方がプーアル茶を飲むと、頻脈や高血圧などの副作用を生じるので注意してほしく思います。
・アンフェタミン
・シチメジン
・コカイン
・エフェドリン
これらの薬を使っている方はプーアル茶を摂取しないようにしましょう。
4.効果について異なる研究結果が出ている成分
共役リノール酸
●効果について
共役リノール酸の効果に関しては効果があるとする論文と効果が見られなかったとする論文の両方が存在します。複数の論文を見た結果、現状では効果があるとも効果がないとも言えません。
私の意見としては効果があると示されていないものにお金をかけるべきではないように思います。
共役リノール酸の6ヶ月以上の摂取を検討している7つのRCTについて検討したメタ分析を行った。
その結果腹囲に影響は認められなかった。6ヶ月の摂取で平均してプラセボ群では-0.70kg、実験群では-1.33kgの体重減少が見られた。このわずかな体重減少は共役リノール酸と関連がある可能性がある。
BMI25以上の27名の男性を対象に2重盲験無作為化プラセボ比較試験を行った。
共役リノール酸2.7~2.8 g/日を8週間摂取させた結果、体重や体脂肪量について影響は見られなかった。
利用する場合には、効果の可能性を示唆した論文でも6ヶ月で-0.7kgというわずかな体重減少であったことは押さえておきましょう。
●副作用について
ナチュラルメディシン・データベースによると、食品中に存在する量では安全であり、医薬品として用いる場合も安全であると考えられています。
また、薬との相互作用に関してはデータが存在しませんでした。
キトサン
●効果について
キトサンについて体重減少を示している多くの試験データが低品質なものでした。反面、信頼できるデータでは体重に対してキトサンの効果は非常に小さいものであることがわかっています。
効果があるともないともまだ言うことはできないですが、実験データを考えると効果がない可能性の方が高いように私は思います。
1219名の参加者を含む4ヶ月以上の15の実験についてメタ分析を行った。
その結果、平均で-1.7kgの体重減少、-0.2m mol/Lの総コレステロールの減少が見られた。
しかし、体重減少を示している多くの試験のデータは低品質で、結果は変化的であった。高品質の試験から得られた結果では、体重に対するキトサンの効果は非常に小さく、臨床的に重要である可能性は低いことを示している。
参照論文:Chitosan for overweight or obesity.
このため、現状は効果あるとする実験も効果が見られなかったという実験も存在します。
●副作用について
ナチュラルメディシン・データベースによると、キトサンは6ヶ月以内であれば経口摂取や皮膚への塗布では安全なようです。
ただし、妊娠中や授乳期に関してはデータが不十分であるため、安全性を考えると控えた方が良いでしょう。
フォースコリー
●効果について
フォースコリーのダイエットに対する効果については、効果なしとする実験も効果ありとする実験もどちらも存在します。
BMI26以上の肥満男性30名を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、フォースコリー抽出物を500mg/日を12週間摂取させた。
その結果、体脂肪量の低下がみられた。
BMI25~35の女性19名の二重盲験無作為化プラセボ比較試験において、フォースコリー抽出物500mg/日を12週間摂取させた。
その結果、空腹感と満腹感が低下したが、体重低下は認められなかった。
効果があるともないともまだ確実に言うことはできません。そのため、もし利用するなら、効果がない可能性も大いにあり得ることを認識しておきましょう。
●副作用について
フォースコリーを食品として摂取した際の副作用についてはまだ十分なデータがありません。
その他の利用法については
・静脈注射の場合→顔面紅潮や低血圧を起こすことがある。
・吸入の場合→軽度の咳、情動不安を起こすことがある。
・点眼の場合→目の痛みや充血を起こすことがある。
といったことが報告されています。
●妊婦や妊娠を考えている女性は使用を控えよう
妊婦さんや妊娠を考えている女性ではフォースコリーを摂取しない方が良いです。というのも胎児に対し、成長障害といった悪影響が出る可能性が考えられているからです。
妊娠期のラットに対しフォースコリー抽出物を880mg/kg/日摂取させた。
その結果、胎児の成長障害と着床障害が見られた。
引用論文:The toxic effects of Coleus barbatus B. on the different periods of pregnancy in rats.
確かにラットで障害が出たからといってヒトでも同じことが起きるというわけではありません。しかし、ヒトとラットは生物学的によく似た性質を持っています。妊婦さんはフォースコリーを利用しない方が良いと私は思います。
DHEA
●効果について
DHEAの効果については異なる研究結果が出ています。特に、内臓脂肪・皮下脂肪が減少したという実験では平均年齢が71歳であったことにも注意が必要です。
若い人たちに対する効果も実験されていないことが多く更なる研究が必要です。
平均年齢71歳の男女56名を対象に二重盲検ランダム化比較試験を行った。実験群に対しDHEA 50 mg/日を6ヶ月間摂取させた。
その結果、皮下脂肪に関してDHEA摂取群では-13㎠、プラセボ群では+3㎠となり、有意にDHEA群で皮下脂肪の減少が見られた。内臓脂肪に関してもDHEA摂取群では-13㎠、プラセボ群では+2㎠となり、有意にDHEA群で内臓脂肪の減少が見られた。
引用論文:Effect of DHEA on abdominal fat and insulin action in elderly women and men
平均59歳の男性12名 を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化比較試験を行った。実験群に対しDHEA 56 mg/日、3ヶ月間摂取させた。
その結果、脂肪組織量に対して有意な影響は見られなかった。
引用論文:Dehydroepiandrosterone replacement in healthy men with age-related decline of DHEA-S
どちらも年齢層が高く、若い人に関する実験が皆無であったことを考えるとDHEAはダイエットに効果があるとは言いがたいです。そのため、DHEAをダイエットに利用しない方がいいように私は思います。
●副作用について
基本的には安全な成分です。ただし、脱毛や胃の不調、高血圧などといった副作用が起こることがあります。これらの症状が出たら摂取を止めるようにしましょう。
5.信頼できる実験データがない成分
以下の16の成分に関しては、そもそも信頼できる科学的な研究が存在しませんでした。根拠がないため、基本的にはこれらの成分をダイエットに取り入れるべきではないでしょう。
もし、これらの成分をダイエットに利用する場合は、運動や食事制限も必ず一緒に行うようにしましょう。そして、これらの成分を主とするダイエット商品にお金をかけすぎないようにするのがよいのではないでしょうか。
・キダチアロエ
・インゲンマメ
・モリンガ
・生姜
・ココナッツオイル
・ギムネマ
・センナ
・フェンネル(ウイキョウ)
・リコピン
・キャンドルブッシュ
・アサイー
・杜仲茶
・ビタミンE(トコフェロール)
・メリロート
・オルニチン
・BCAA
●副作用について
効果が実験されていないだけでなく、副作用が報告されているものもあります。ここでは
・キダチアロエ
・モリンガ
・センナ
・フェンネル
という、注意するべき副作用がある4つについて解説しました。
また、ここに挙げなかったものに関しても大量摂取は危険です。名前が挙がってないから安全と思わず、用量用法を守りましょう。
ダイエットに利用する前に副作用についても正しく認識しておくことで、適切にあなたの健康を守ることができます。しっかりと理解しておきましょう。
●キダチアロエ
キダチアロエには大腸を刺激することで下痢を引き起こす副作用があることが知られています。特に過剰摂取には気を付けましょう。 内鞘の葉 の乾燥液剤により1例ではあるが死亡事例も報告されています。
妊婦ではキダチアロエを摂取してはなりません。というのも 流産の危険性があるからです。アロエジェルに含まれるアロエエモジンという成分は子宮を収縮することで知られており、それにより流産となる危険性があります。妊婦の場合にはキダチアロエを利用しないようにしましょう。
●モリンガ
モリンガは基本的には安全であるとされています。しかし、根や根抽出物は摂取しない方が良いです。
というのも根には麻痺を引き起こす可能性のある、アルカロイドが含まれることがわかっています。根や根の抽出物の場合には注意しましょう。
また、妊婦はモリンガを摂取してはなりません。
モリンガの摂取により、妊婦では流産などがおこる可能性がラットの実験により指摘されています。このことに関しては厚生労働省からも注意喚起がされています。(厚生労働省:Moringa oleifera(いわゆるモリンガ、ワサビノキ※)について)
●センナ
便秘解消などでも用いられるセンナであるが、2週間以上の長期の摂取はすべきではありません。というのも、下剤への依存性が生じたり、心機能障害、筋肉が弱弱しくなる、肝機能障害などのおそれがあるということがナチュラルメディシン・データベースに記載されています。
これらの副作用を考えると、センナをダイエット目的で利用するべきではないと私は思います。ダイエットは短期で終わるものではないからです。
●フェンネル(ウイキョウ)
セロリやニンジン、ヨモギといった植物にアレルギーのある人は皮膚でアレルギーが出る可能性が高いことが指摘されています。それらのアレルギーをお持ちの方は利用しないようにしましょう。
また、ドイツの 薬用植物の評価委員会の指摘によると、長期間の使用に対して安全ではない可能性がある。
6.効果ない可能性高い成分
フーディア
フーディアはダイエットに効果がない可能性が高いです。実験により、体重やエネルギー摂取量に影響が見られなかったことがわかっています。
過体重の女性49人 を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、フーディア抽出物1,110 mg入りヨーグルト飲料を1日2回、15日間摂取させた。
その結果、p>0.05で、エネルギー摂取量や体重に影響は認められなかった。
また、フーディアに関して、安全性に関する実験は皆無でした。そのため、妊婦では安全を考慮し、利用しないことを勧めます。
チアシード
チアシードはダイエットにいいと言われています。しかし、有効性を証明する論文はなく、それどころか効果がないことを示す研究が見つかりました。チアシードをダイエットに利用するのはやめておきましょう。
肥満の男女67名に二重盲検無作為化プラセボ比較試験を行っい、500 kcal/日の減量+チアシード4 g/日含有食品を2ヶ月間摂取させた。
その結果、体重、BMI、腹囲、体脂肪率に影響は見られなかった。
グルコマンナン
グルコマンナンも痩せる成分として広く利用されています。しかし、これに関してもダイエットに影響がない可能性が高いです。
2012年3月までを対象に9つのRCTについて検討したシステマティックレビューを行った。
その結果、グルコマンナンを摂取した群では平均-0.22kg、プラセボ群では-0.62kgの体重減少が見られた。この研究により過体重または肥満者によるグルコマンナンの摂取は、体重減少に影響は与えなかったと考えられる。
引用論文:The efficacy of glucomannan supplementation in overweight and obesity
このように、グルコマンナンを摂取した群と何も摂取していない群では体重に関して大差が見られないことがわかっています。私の意見としては効果がないものにお金を浪費すべきではないように思います。
ヤーコン
ヤーコンは信頼性の非常に高い研究によりダイエットには効果がないことが示唆されています。
26件の 二重盲検ランダム化比較試験を基にシステマティックレビューを行った。
その結果、満腹感の上昇には影響が見られたが、体重、総エネルギー摂取量、トリグリセリド値には影響が見られなかった。
引用論文:Metabolic benefits of dietary prebiotics in human subjects
また、効果がないばかりでなく、アナフィラキシーショックの事例(A case of anaphylaxis after the ingestion of yacon.)なども報告されています。そういった副作用の危険性もあり、効果がない可能性の高い成分を摂取すべきではないように思います。
カルニチン
カルニチンもダイエットに有効としてよく利用されているが、研究結果を見てみると効果がない可能性が高いです。
日本において、肥満の男女35名を対象に二重盲検ランダム化比較試験を行い、L-カルニチン200 mg/日+共役リノール酸700 mg/日含有製品を8週間摂取させた。
その結果、体重、体脂肪率、BMや糖代謝に影響は見られなかった。
引用文献:A double-blind, randomized controlled trial (RCT) of L-carnitine and conjugated linoleic acid-based health food with health claims:Anti-Aging Medicine. 2007
特に副作用は報告されていないが、効果がない可能性が高いということを認識したうえで利用するようにした方がいいように思います。
7.まとめ
残念ながら、食べるだけで痩せられるといった夢のような成分は存在しないようです。やはり、適度な運動と食事制限こそが王道ではないでしょうか。「食べるだけで痩せる!」などと書かれている商品には注意したほうがいいように思います。この記事を読むことで少しでも怪しい商品に手を出すことが減るならば幸いです。
また、ダイエットに関してこういう成分についても調べてほしい等あったらコメント等で連絡してください。論文を調べて記事に追加していきます。
プロフィール
ゴーヘルシー
医学部学生を中心に学生有志が集まり、健康に関する最先端の研究を分かりやすく解説するプロジェクト。一般の方々が医療に関する専門知識をより身近に入手できるような社会を目指す。
ゴーヘルシーでは、主に以下のソースを元に解説していきます。
・医学研究論文(掲載元:PubMed、The Cochrane Library、医中誌web )
・医学書
・現役医師へのインタビュー