ダイエットサプリを徹底調査! 飲むだけで痩せる成分は?

飲むだけでダイエットできるサプリメントや健康食品は果たしてあるのでしょうか?

 

今、ダイエットに効果的だといわれている成分について、世界中の医学論文をもとに徹底的に調べてみました。

 

一般的にはダイエットに効果があると思われている成分でも、実はまだ研究では全く実証されていないということが多々あります。実証されていないからと言って、効果が絶対にないとは言い切れません。効果がある可能性はありますし、プラシーボ効果(薬効成分を含まない偽薬を薬だと偽って投与された場合、患者の病状が良好に向かってしまうような治療効果)も存在します。

 

しかし、現在の研究が本当の所どこまで進んでいるのか。何が実証されているのか。私は医療を志す人間として、知っておきたいですし、皆さんにもぜひ知っておいていただきたいと思っています。

 

私たち医大生で結成したチームで、医学論文を検索できるpubmedを通じて約10,000近い論文を調査し、一つの結論に達しましたのでご紹介したいと思います。

 

ぜひ、参考にしてみてください。

 

 

1.ダイエットに効果ありといわれている成分の根拠別分類

 

ダイエットに効果ありといわれている成分や食品を根拠別に一覧でまとめました。結論から言うと、効果があることが実証されている成分はありませんでした。そのため、ダイエットに効果ありと謳っている商品にお金をかけるべきではないと私は思います。

 

成分が効果あるかどうかを正しく知ることで、利用するかどうか適切に判断できるようになります。それにより怪しげな商品にお金を使うこともなくなり、副作用などから自分の健康を守ることができるようになります。ぜひ下の表を何度も活用してほしくおもいます。

 

科学的根拠の参考としたのは

 

・世界中の医学論文が検索できるサイト(pubmed

・アメリカで2500億の補助金を費やして科学根拠を調べ尽くした成分データベース(ナチュラルメディシン・データベース)

 

の二つです。非常に信頼性の高い研究論文のみ(ヒトRCTとメタアナリシス)根拠として採用しました。一般にいわれていることや質の低い研究は採用しなかったのでご理解いただきたく思います。

 

※以下のリストの詳細の検討は、「3.効果あるとする実験もあるが更なる検証が必要な成分」以降で行います。

 

 

効果の可能性がある(データ数が少なく、更なる研究が必要)

 

・プーアル茶

 

 

効果あるという実験も効果ないという実験もある

 

・共役リノール酸

・キトサン

・フォースコリー

・DHEA

 

 

信頼できる実験データなし

 

※これらに関してはそもそも実験データがないため効果の示しようがありません。そのため気を付ける副作用があるものに関してのみ、「5.信頼できる実験データがない成分」において検討します。

 

・キダチアロエ

・インゲンマメ

・モリンガ

・生姜

・ココナッツオイル

・アルギニン

・ギムネマ

・センナ

・フェンネル(ウイキョウ)

・リコピン

・キャンドルブッシュ

・アサイー

・杜仲茶

・ビタミンE(トコフェロール)

・メリロート

・オルニチン

・BCAA

 

 

効果ない可能性が高い

 

・フーディア

・チアシード

・グルコマンナン

・ヤーコン

・カルニチン

 

 

2.効率的にダイエットをするための代替案

 

飲むだけで痩せられる成分がないことはわかったことかと思います。では、食事制限や運動を前提にして、効率的に痩せる方法はないのでしょうか。

 

代替案として2つお話ししようと思います。

 

・肥満治療薬を処方してもらう

・効率的な筋トレのためにBCAAを利用する

 

これらを利用することによってせめて効率的にダイエットできるようになるのではないかと私は思います。ただし、しつこいようですが、食事制限や運動が必要です。

 

 

2‐1.肥満治療薬を処方してもらう

 

肥満外来に行きゼニカルやサノレックスといった肥満治療薬を処方してもらうのが一つ目の案です。私はゼニカルの方のみおすすめします。というのも、サノレックスは劇薬としても知られており、副作用が強力だからです。

 

 

オルリスタット(ゼニカル)はアメリカ合衆国における治験の結果、1年間の投与により5%の体重減少が見られた成人が60%、10%の体重減少が見られた成人が27%であった。一方、偽薬群では5%体重減少が31%、10%体重減少が11%であった。

このことより、オルリスタットは体重減少において有意に効果があると言える。

参照論文:医薬品安全性情報 Vol.1 No.38

 

 

ゼニカルは食事からの脂肪吸収を抑制します。それにより約6割もの人で5%以上の体重減少がみられることがわかっています。

 

ただし、飲むだけで痩せられる薬などではありません。あくまで食事療法の補助として用います。そのため、楽して痩せられる等の勘違いをしないようにしましょう。

 

また、ゼニカルもサノレックスも医薬品であるため副作用等も存在します。それらについて適切に知っておくことで自らの健康を守る手助けとしましょう。

 

 

●ゼニカルとサノレックスの入手法と費用

 

ゼニカルやサノレックスは肥満外来で医師に処方してもらうことで買うことができます。

 

費用としてはゼニカルが19000円〜50000円(1ヶ月分)、サノレックスが22000円程度です。ゼニカルは基本的に保険適用されず、サノレックスは高度な肥満(BMI>35)の場合にのみ保険適用されます。

 

 

●個人輸入は絶対にしないように!

 

ゼニカルを安く手に入れるために個人輸入をする方が非常に多いがやめておいた方が良いでしょう。

 

というのも個人輸入の薬品では偽造品が多く出回っており、他の薬などでは死亡事故などの例もあるからです。ゼニカルでも同様の状態であると思っておいた方が無難だろうと私は思います。

 

他の薬の話ですが、ファイザー、日本新薬、バイエル薬品、日本イーライリリーの4社による偽造ED治療薬の調査によると、インターネット流通の約56%が偽造品でした。また、それらの偽造ED治療薬による健康被害として、低血糖による昏睡などの有害事象が報告されています。2008年5月の段階で確認できた患者数40人、疑いのある患者数87人、うち4人が死亡しています。(参考文献:偽造医薬品4社合同調査

 

これらのことを考えると、インターネット上で「本物である」「海外で製造されたジェネリック薬品である」といった記載を見かけても、手を出すべきではありません。

 

 

●ゼニカルの副作用

 

ゼニカルの副作用として

 

・急速に襲ってくる便意

・油っぽい便

・下痢

・便秘

・便失禁

 

等が確認されています。痩せるサポートとして利用できるものの、漏らす危険性があることには気をつけて利用するようにしましょう。

 

また、一部の人で肝機能障害が見られています。これにより食欲不信などが起こります。食欲不振などが起こった場合は直ちに病院に行き、薬を中止するよう検討しましょう。

 

 

●サノレックスの副作用

 

サノレックス(マジンドール)の一番の危険性は依存性です。覚せい剤のアンフェタミンと同様の特性を持つことが知られており、劇薬としてサノレックスの説明文書に記載されています。

 

そのため、食事療法・運動療法をして、その効果が不十分な高度肥満症患者でのみ使用するように注意書きがされています。

 

また、緑内障、心臓疾患、肝臓障害、膵臓障害、脳血管障害、うつ病患者では症状が悪化する可能性があるので利用すべきではないとされています。

 

 

2‐2.効率的な筋トレのためにBCAAを利用する

 

筋トレをし、基礎代謝を挙げることはダイエットに必要不可欠です。そうすることでリバウンドしにくくなります。

 

BCAAは筋トレの最中に筋肉が分解されてしまうのを抑える役割があります。筋肉の分解を抑えることで筋肉が成長するための手助けとなります。

 

 

77mg/kgのBCAAを摂取させた群とプラセボ群に分け、60分スクワットをさせた。

運動前の筋肉中のBCAA濃度は非摂取群では339±15mM、摂取群では822±86mMであった。運動後筋肉中のBCAA濃度は非摂取群では68±93mM、摂取群では816±198mMとなった。

筋肉中のBCAAの遊離は有意に摂取群で少ない結果となった。そのため、BCAAを摂取している群の方が筋組織中のタンパク質分解を抑制し、筋消耗を抑えることができると結論づけることができる。

参照論文:Branched-chain amino acids augment ammonia metabolism while attenuating protein breakdown during exercise.

 

 

このようにBCAAは筋肉の分解を抑える役割があることがわかっていますが、一つだけ注意が必要です。それは、筋トレをせずに筋肉がつくというものではないという点です。ときどき、飲むだけで筋肉が大きくなると勘違いされる方がいます。しっかりと筋トレをする必要があるのだと言うことは認識しておきましょう。

 

 

3.効果あるとする実験もあるが更なる検証が必要な成分

 

プーアル茶

 

●プーアル茶の効果について

 

プーアル茶はダイエットに効果があるという科学的データもあるが、日本で行われた一つの実験しか信頼できる研究が見られませんでした。そのため、実験データ数が少なく効果があるとはまだ言えません。更なる検証が必要であるように私は思います。

 

 

BMI25~30の軽度肥満の患者36人に対して二重盲験無作為化プラセボ比較試験を行った。実験群18人では12週間プーアル茶抽出物333mgを毎食前に摂取した。その結果、体重およびBMI、CT測定による内臓脂肪面積が低下した。

参照論文:Improvements of mean body mass index and body weight in preobese and overweight Japanese adults with black Chinese tea (Pu-Erh) water extract.

 

 

まだ効果があるとはっきり言えません。そのため過信しすぎない方がいいでしょう。少なくとも、お金をかけすぎないよう注意してほしく思います。

 

 

●副作用について

 

ナチュラルメディシン・データベースによると、飲料として適量の摂取であれば安全であるようです。ただし、1日5杯以上の摂取はカフェインにより頭痛や不整脈、嘔吐といったような副作用を生じる可能性があることがわかっています。

 

 

●薬との相互作用について

 

一緒に摂取してはいけない薬が4つあります。それらの薬を利用している方がプーアル茶を飲むと、頻脈や高血圧などの副作用を生じるので注意してほしく思います。

 

・アンフェタミン

・シチメジン

・コカイン

・エフェドリン

 

これらの薬を使っている方はプーアル茶を摂取しないようにしましょう。【次ページにつづく】

 

 

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