「新しいリベラル」を構想するために
価値の多元性を肯定するリベラリズムは現在、大きな困難に直面しています。それは、異なった価値観をもつ人たち、あるいは集団が、その多様性を保ったまま、いかに共生しうるのか、という問いです。調停不能な対立や分断に貫かれることなく、また同一の価値観を強制するような共同性に染め上げられることもない社会、そして人びとが自由にその多様な可能性を開花させていくことのできる社会はいかにして可能になるのでしょうか。このコーナーでは、こうした問いを思考するための知や教養をお届けします。
-
なぜ日本に社会民主主義は根付かないのか?
近藤康史
-
感染症対策のための規制、ナッジ、データそして民主主義
成原慧
-
非伝統的安全保障とスウェーデンにおける「移民の安全保障化」
清水謙
-
北欧は多様性へのマインドセットをいかに根付かせているか
ジェンセン美佳、内田真生
-
こんな「リベラル」が日本にいてくれたらいいのに
大賀祐樹
-
会話が生まれる魔法のベンチ――イギリスの刑事が考案した「おしゃべりベンチ」
穂鷹知美
-
移民受け入れと社会的統合のリアリティ――現代日本における移民の階層的地位と社会学的課題
是川夕
-
「みんながマイノリティ」の時代に民主主義は可能か
吉田徹×西山隆行×石神圭子×河村真実
-
何が日本男性の育児参加を妨げているのか――稼ぎ手役割意識からの脱脚と男性の育児参加
裵智恵
-
情報がアテンションを消費する
堀内進之介 / 政治社会学
-
日本の男女賃金格差とペイ・エクイティ運動
屋嘉比ふみ子
-
西欧社会民主主義はなぜ衰退しているのか?
吉田徹