「新しいリベラル」を構想するために
価値の多元性を肯定するリベラリズムは現在、大きな困難に直面しています。それは、異なった価値観をもつ人たち、あるいは集団が、その多様性を保ったまま、いかに共生しうるのか、という問いです。調停不能な対立や分断に貫かれることなく、また同一の価値観を強制するような共同性に染め上げられることもない社会、そして人びとが自由にその多様な可能性を開花させていくことのできる社会はいかにして可能になるのでしょうか。このコーナーでは、こうした問いを思考するための知や教養をお届けします。
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日本社会の隘路を考える――三重苦はいかにしてもたらされたのか
田中拓道
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日本人は憲法九条と自衛隊にどう向き合ってきたのか?
『憲法と世論』著者、境家史郎氏インタビュー
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日本に「市民社会」は存在しないのか?
『市民社会とは何か』著者、植村邦彦氏インタビュー
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外国人の受け入れと処遇をめぐって――出入国管理政策と社会統合政策
加藤真
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日本における外国人に関する実態と将来像――「これまで」と「これから」の整理
加藤真
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変化するパートナー関係と共同生活――家族主義を問う
阪井裕一郎
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グローバル資本主義の中の「非営利」――「バーチャル政府」の意外な可能性
安立清史
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リベラリストの「偽善」――リベラル国際主義に未来はあるか?
三牧聖子
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何がドイツ人とユダヤ人を和解させたのか?
『〈和解〉のリアルポリティクス』著者、武井彩佳氏インタビュー
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社会的企業が作り出す社会的・経済的な価値――イタリアの社会協同組合がもつ競争力を、社会的貢献を評価することによって理解する
サラ・デェペードリ / ヨーロッパ社会的企業研究所(EURICSE)研究員
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過酷な労働を強いられる外国人留学生たち――移民政策を問う前に向き合わなければならないこと
ジャーナリスト・出井康博氏インタビュー
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「韓国ムカつく」「訳わからん」と投げ出す前に――『戦後日韓関係史』の使い方
浅羽祐樹×白鳥潤一郎×佐々木真