シノドス・トークラウンジ

2021.07.12

2021年7月24日(土)開催

倫理的に「食べる」とはどのようなことなのか?――食農倫理学への誘い

太田和彦 食農倫理学、環境倫理学、シリアスゲーム ホスト:芹沢一也

開催日時
2021年7月24日(土)14:00~15:30
ゲスト
太田和彦
ホスト
芹沢一也
場所
Zoom
料金
1100円(税込)
※高校・大学・大学院生は無料です。

対象書籍

食農倫理学の長い旅: 〈食べる〉のどこに倫理はあるのか

ポール・B・トンプソン (著), 太田 和彦 (翻訳)

食農倫理学という学問をみなさんはご存じでしょうか? 応用倫理学の新しい分野として生まれた食農倫理学は、「フードシステム」と呼ばれる一連のプロセス、すなわち食べ物の生産・加工・包装・流通・調理・消費・廃棄というプロセスにおいて、わたしたちが他者にどのような影響を与えているのかを倫理的に検討する学問です。

「何を食べるか」というのは、たんに個人の嗜好や選択であって、個々人のライフスタイルの問題にすぎないように一見、みえます。しかし、わたしたちの食習慣や食選択は、想像以上に多岐にわたる影響を社会と生態系に与えています。ざっと数え上げれば、労働者の搾取、環境負荷、飢餓問題、気候変動、そして生物多様性といった諸問題に、わたしたちの食生活が少なからず関わっているのです。

現在、多方面で食のあり方を見直そうとする動きが出てきています。そこで称揚されるのは、オーガニックで健康的、そしてローカルでスローな、環境にも動物福祉にも配慮した食生活です。対して、工業的で添加物にまみれ、資源を浪費するファストな食べ物は唾棄すべきものとして退けられます。しかし、事態がそれほど単純ではないことは、たとえば貧困層に前者のような「意識の高い」食生活が難しいことからも明らかでしょう。

今回のトークランウジでは、食農倫理学をけん引してきたポール・B・トンプソンの『食農倫理学の長い旅 〈食べる〉のどこに倫理はあるのか』を取り上げます。訳者の太田和彦さんをゲストにお招きして、「より持続的で、より健康的で、社会的にも公正な食選択」について、みなさんと考えたいと思います。

プロフィール

太田和彦食農倫理学、環境倫理学、シリアスゲーム

総合地球環境学研究所助教。博士(農学)。専門は食農倫理学、環境倫理学、シリアスゲーム。主な業績に、『〈土〉という精神』(ポール・B・トンプソン, 農林統計出版, 2017年)、『食農倫理学の長い旅』(ポール・B・トンプソン, 勁草書房, 2021年)など。

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