シノドス・トークラウンジ

2022.01.28

2022年2月23日(水)開催

サブカルチャーと欲望の20世紀

貞包英之 社会学、消費社会論 司会:橋本努

開催日時
2022年2月23日(水)20:00~21:30
講師
貞包英之
司会
橋本努
場所
Zoom【後日、アーカイブの視聴も可能です】
料金
1500円(税込)
※高校・大学・大学院生は無料です。

対象書籍

サブカルチャーを消費する 20世紀日本における漫画・アニメの歴史社会学

貞包英之

20世紀の日本社会は、マンガやアニメなどのサブカルチャーで世界の文化をリードしてきました。戦間期から現代にかけて、私たちは自国の漫画やアニメを旺盛に消費し、サブカルチャーに誇りを抱くようになりました。しかし私たちは、サブカルチャーを通じていったい何を欲望し、何を経験してきたのでしょうか。最近、日本のサブカルチャーの歴史をめぐる、すぐれた研究書が著されました。貞包英之著『サブカルチャーを消費する』(玉川大学出版部、2021年12月刊)です。

本書の分析は秀逸で、社会学の観点から日本のサブカルチャーが生み出した社会現象を深く掘り下げています。戦間期の映画やアニメの文化、バレエ漫画と戦後の家族観の変容などに焦点を当て、最後に大胆な結論として、「20世紀サブカルチャー」が終焉したこと、そしてまたこれに対抗する新たな「消費社会」が生まれていることを論じています。

例えばサブカルチャーの聖地とみなされる「秋葉原」は、いまどのように変容しているのでしょうか。またコミックマーケットはどのように変化してきたのでしょうか。

シノドス・トークラウンジでは、著者の貞包英之さんをお招きして日本のサブカルチャーの変遷を議論します。とくに1950年代において、当時の子どもたちがおこづかいで漫画を買うようになると、アメリカ消費社会の影響力が低下し、日本独自のサブカルチャーが生まれます。しかしこの変化は同時に、日本の文脈においては子どもたちが大人たちの文化から排除される過程でもありました。

ではその後、サブカルシャーにおける子どもたちと大人たちの関係は、どのようになったのでしょうか。また、性差(ジェンダー)の問題はどうなったのでしょうか。日本のサブカルチャーの変容について、大きな構図に迫りたいと思います。

本書の視点の一つは、「戦後家族」の理想とその終焉です。戦後の日本で、厚い中産階級に支えられていた「戦後家族」が崩壊すると、おこづかいでサブカルチャーを消費する層もまた崩壊していきます。消費社会とサブカルチャーの結びつきは、もはや自明ではなくなります。ではいつたいこうした消費社会の陥穽を超える可能性は、どこにあるのでしょう。参加者のみなさまと議論したいと思います。

プロフィール

貞包英之社会学、消費社会論

1973年生まれ。立教大学教授。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程単位取得満期退学。専攻は社会学・消費社会論・歴史社会学。著書に『地方都市を考える「消費社会」の先端から』(花伝社、2015年)、『消費は誘惑する 遊廓・白米・変化朝顔~一八、一九世紀日本の消費の歴史社会学~』(青土社、2016年)、『サブカルチャーを消費する 20世紀日本における漫画・アニメの歴史社会学』(玉川大学出版部、2021年)など。

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