2013.08.15
いろいろ変わっちゃったから、もう一度本当の経済の話をしよう――『本当の経済の話をしよう』刊行一周年記念
自民党の圧勝、安倍政権発足、アベノミクス、急激な円安……。
『本当の経済の話をしよう』刊行から一年がたった今、日本は大きく変化した。
経済学者の若田部昌澄と、評論家の栗原裕一郎が語る「本当の」経済の話。(構成/山本菜々子)
日本は終わったのか、始まったのか
栗原 参院選の話からいきましょうか。自民党圧勝は、まあ見えていましたよね。僕のTwitterのタイムライン上にはいろんなジャンルの人がいるんですが、この前の衆院選の時もそうだったんですけど、「日本終わったな」というツイートと「日本始まったな」というツイートが同時に流れてきたんですね(笑)。
同じ事象なのに意見が両極端に分かれる。選挙に限らずそういうケースが、ツイッターというメディアのせいかもしれないけど、ここのところ非常に多い気がします。今回の自民党の圧勝について、若田部先生はどう思われましたか。
若田部 有権者が政治になにを求めているのか、調べてみると第一は景気の回復で、第二に社会保障が続きます。今回の自民党圧勝は、いわゆる「アベノミクス」が評価されたのではと思っていますね。
栗原 僕がTwitterでフォローしている人達は、仕事柄、音楽や文学、映画、アートとかいわゆる文化系の人が多くて、彼らにとって今回の選挙の最大の争点は「脱原発」だったようでした。しかし世の大多数の人達の関心は「景気」で、だからアベノミクスに期待をかけたということですね。
若田部 安倍さんが本当にやりたいのは、現在の憲法を変えることだと思うんですよね。私は統治機構の部分とか現在の憲法には変えるべきところもあるとは思っていますけど、自民党の試案のようなものはあまり評価していません。けれども、アベノミクスの、特に第一の矢については評価しています。
しかし、一般的には安倍さんは憲法改正をしようとしているから、経済政策も全部ダメだといってしまう風潮ってあるんですよ。原発の話にも共通した部分があって、原発を撤廃しないから、アベノミクスに対しても難色をしめしてしまいがちです。
栗原 今回は自民を選びたくない人達が入れるべき政党がなかった気がするんです。ちょうど今朝(7月27日)の『朝日新聞』で、革命家の外山恒一が「問われたのは自民党政権にイエスかノーかだけど、ノーの人の選択肢は事実上ない」選挙だったっていってたんですけど、「ついに外山恒一が朝日に載る日が来たか」という感慨はさておき(笑)、まあ、その通りだなあと。
若田部 そうなってしまったのは野党の弱さですよね。自民党の手中にまんまとハマってしまったという感じです。
それに、単にアベノミクス全体を批判するのではなく、増税だったり、第三の矢の有効性など、争点にすべきことはほとんど話題にあがりませんでした。典型的なのは民主党で、自分たちで推進したことだから増税には反対出来ず、「第三の矢」は自分たちと同じだから批判出来ない、という状況でした。
栗原 最近リベラルの凋落が囁かれることが多くなってきましたけど、結局、リベラル政党のなかに経済成長を政策としてまともに打ち出せているところがない、というのが問題の根っこにあると思うんですよね。
若田部 日本のリベラル派は特にそうでしょうね。ですが、海外のリベラルは違います。例えば、リベラル政党で有名なのはアメリカの民主党です。彼らは雇用を大事にするというのが基本です。経済成長せずに雇用を大事にすることなんて出来ないので、おのずと経済成長は重要な政策になってきます。
ほどほどのインフレで経済を成長させるというのは、諸外国では当たり前の考え方なんですよ。その下で環境問題や経済成長に関わるコストの部分、再分配や教育にも取り組んで行きます。まずは、経済成長が前提となり、その過程ででてきた問題をリベラル的な観点からフォローするという考えです。
栗原 経済成長が諸問題の根幹として共有されているわけですね。共産党なんかは、企業内部留保の切り崩しがカギと言ってましたが。
若田部 「内部留保」と聞くと、企業が現金を貯め込んでいるような錯覚を起こしてしまうんですけど、いろんな金融資産を買って保持しているので、正確には違うんですよね。やはりデフレだと、お金を持っているだけで得だから内部留保も増えているわけです。お金を回して人を雇う方が得な世の中になるとそれは変わっていきますよね。
内部留保を問題にするのは百歩譲っていいとしても、共産党の場合はそこから先、どのように景気を回復していくのかという手法が無いように感じました。ただ、消費増税に一貫して反対している点は、共産党も評価出来ますし、今回の選挙でもそのあたりは有権者に評価されたのではないでしょうか。
倒れゆくドミノ
栗原 若田部先生の、アベノミクスに対する現時点の評価はいかがですか。
若田部 今のところいいですよね。栗原さんと『本当の経済の話をしよう』を書いた時には、まさかリフレ政策がとられるとは夢にも思っていませんでした。今や、浜田宏一先生がなにか発言する度にニュースになりますし、岩田規久男先生に至っては日銀副総裁ですからね。
アベノミクスについて簡単に解説すると、アベノミクスでは「三本の矢」と銘打ち、第一の矢に「大胆な金融緩和」、第二の矢に「機動的な財政運営」、第三の矢に「民間投資を呼ぶ成長戦略」の三本をうたっています。
第二の矢については、4月から補正予算がついただけですし、第三の矢である成長戦略にいたってはまったく動いていません。今、実際にやっていると言えるのは第一の矢だけなんです。第一の矢については私は高く評価しています。
栗原 第一の矢に関しては評価されているということですが、一般の人からすると「ぜんぜん変わってない、それどころか物価が上がっただけで悪くなってるんじゃないか?」というのが今のところの実感じゃないかと思うんですよ。我々庶民が景気が良くなったなと感じるようになるまでにはタイムラグがあるんですかね。
若田部 その通りです。当然タイムラグはありますが、それでも今の時点でかなり良くなっていると言えます。思ったよりも早く実感として感じられるのではと思いますね。実際にコンビニがこぞって一時金(ボーナス)を出し、賃金が上がったことが話題になりました。
栗原 ローソンとセブンイレブン(セブン&アイ・ホールディングス)ですね?
若田部 そうそう。景気が良くなると、小売業界は良くなっていきます。そうなると、待遇を上げないと辞めて従業員がほかのお店に行ってしまう。今は非正規の雇用が増えたり、一時金が出たり、残業代が出たりしています。
政府の統計でも2012年12月から2013年5月まで、実質可処分所得が増えていると発表されました。所得階層別に分けてみると、中間層はあまり変わっていませんが、高所得者と、低所得者の人の可処分所得が増えています(内閣府「今週の指標 No.1073 家計の所得と物価の動向」2013年7月17日。http://www5.cao.go.jp/keizai3/shihyo/2013/0717/1073.html)。前者は株価の値上がりの影響で、後者の待遇市場に敏感にさらされているので改善したと考えられます。
栗原 僕はフリーランスなのでまだ実感ないですねー(笑)。
若田部 アベノミクスでイベントが増えれば、一時金が増えるかもしれません(笑)。
栗原 視野に入ってくる限りでは、左翼の人達には「景気が良くなったって、結局企業が儲けるだけで、労働者には回ってこないんだよ。お前らは騙されているんだよ!」という論調が多いようです。こういう物言いが説得力を持ってしまったりするのも、そうは言っても景気が回復している実感が薄いからだと思うんですよ。「どうも連中が言ってることは違うんじゃないか?」というくらいに実感が伴うようになってくるのはいつ頃になるんでしょう。
若田部 安倍政権が発足してから一年半から二年後には実感出来るところまで回復すると思います。ただ、これも他の政策に影響を受けるので、消費増税をやると確実に回復は遅くなるでしょう。もし、増税に踏み切らないのであれば、けっこう早く達成出来るのではと感じています。円安が急激に進み、株価が急速にあがっため、今は予想よりも早回しで動いてますね。実際に物価も上がりはじめました。ドミノ倒しのように影響していくなら、最初のドミノを押す勢いが強かったと言えるでしょう。
栗原 円安になって輸入品の値段が上がり、電気料金も上がって、物価が上昇している感じはあるわけですが、物価が上がったのに給料は上がらないということはあり得るんですか。
若田部 しかし、賃金が上がらないと物価は上がらないというのは定説ですので、物価だけ先に上がるというのは考えにくいと思います。
栗原 左派の人達がいうような、物価だけが上がって給料は上がらず庶民は生活が苦しくなるだけ、という事態はない?
若田部 それはないでしょうね。アベノミクスの大前提は、働きたいけど働けない人がいて、使われるべきだけど使われていない設備・機械があるということです。つまり、デフレによって経済が停滞していただけで、余力はまだまだあるということが大前提なんです。
もし、そういった余力がないと、賃金が上がらないので、物価だけが上がってしまい、いわゆる「スタグフレーション」になってしまいます。
栗原 今はスタグフレーションの状態だと主張しているエコノミストもいますけど、アベノミクスは、金融緩和によって眠っている部分を動かしたわけですね。
アベノミクスは矢継ぎ早
栗原 「第二の矢」の財政政策についてはどうですか。
若田部 今の自民党が言う「財政政策」は、結局のところ公共事業です。建築業者にお金をばらまいていると。しかし、これは本当の意味での「バラマキ」ではないんです。「バラマキ」というのは全員に渡すことです。ですが、公共事業は単にエコひいきしているだけなんですよね。自民党がそういった政治家の集まりなんで、仕方ないと言えば仕方がないんですが。
ある意味で、安倍さんは成長したなと私は感じていて、第一次安倍内閣の時は自分のやりたいことだけを通していましたが、今回は麻生さんや甘利さんと手を組みながら、妥協出来ることは妥協している。第二の矢のえこひいきを許すことで、ある種の政治家の人たちは満足するんです。でも、それを許すことのリスクもあって、一度味をしめちゃうと、税金を沢山徴収して、たくさんえこひいきしてしまう可能性があります。
ちなみに、私は本当の「バラマキ」をすればいいと思うんです。各国民に10万円ずつ渡すとかね。物価が上がっていますので、所得も直接配ってあげるというのは方法としてありだと思っています。
栗原 今の財政政策は、復興政策とミックス出来るんでしょうか。
若田部 やろうと思えば出来ますけど、今の復興政策って被災地の建物を再建するとか、インフラを整備するという話になっている。東北三県、特に宮城県では、建設労働者の有効求人倍率は2倍を超えているんです。つまり、求職者1人あたりに、2つ以上の求人があるということになります。そこにお金をつぎ込むことに果たして意味があるのか疑問です。
復興事業をするよりも、被災者にお金を配った方がいいのではと感じます。住みたい人はそこに住めばいいし、住みたくない人は移住するといった選択肢を採ることが出来ますしね。
栗原 さて、「第三の矢」の成長戦略ですが、問題と言えばこれが一番問題ですかね(笑)。
若田部 結局、アベノミクスというのは経済政策ですのであくまでも「政治」なんですね。この「政治」というのは、安倍晋三、麻生太郎、甘利明という、奇しくも頭文字がAではじまる3Aの政治家の、ペットプロジェクトを束ねたものです。第一の矢を安倍さん、第二の矢を麻生さん、第三の矢を甘利さんが担っていると言ってもいいのかもしれません。甘利さんというのは経済産業省とねんごろの仲の人なんですよ。だから、第三の矢が経産省的な政策にならざるを得ないんですよね。
栗原 「経産省的」というのは具体的にどのような動きなんでしょうか。
若田部 特徴的なのは、特定の産業を選び、補助金をつける手法です。えこひいき政策になりやすいんです。
栗原 政府が、この産業が伸びると目星をつけて、そこに投資すると。イノベーションというのは人為的に起こせるもの、というのが前提になっているんですかね?
若田部 伸びる産業が分かっていたらこんなに楽なことはない。それが可能だったら日本は日本社会主義共和国になって、ソ連が世界を支配してた(笑)。
栗原 クールジャパン(Cool Japan)とかもねえ(笑)。
若田部 『ジャパン・タイムス』を読んでいたら(Can METI’s ¥50 billion fund unfreeze ‘Cool Japan’?http://www.japantimes.co.jp/culture/2013/07/09/general/can-metis-%C2%A550-billion-fund-unfreeze-cool-japan/#.UgKt3VrSaig)、日本の漫画やアニメは素晴らしいし、サブカルチャーはクールだと書いているわけです。でも、クールジャパンはクールではないと(笑)。8月2日の『ウォール・ストリート・ジャーナル』のブログでは、「経産省が作ったクール・ジャパンの宣伝がクールじゃない」と揶揄されていました(http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2013/08/02/japanese-governments-uncool-cool-japan-video-goes-viral/)。
アニメだろうが漫画だろうが、日本のサブカルって政府の援助を受けないどころか、日の目もあたらないところでやってきたわけです。そんなところから世界的な文化を築いてきたというのが日本の底力だと思います。
栗原 『本当の経済の話をしよう』では「TENGA」をイノベーションの一例として取り上げましたが、政府が補助したわけじゃないですからね、言うまでもなく。補助してたらクール・ジャパンも見直したかもしれないけど(笑)。
若田部 そうですね。日本食だってそうです。今、ラーメンや餃子が世界的な人気です。パリっ子が餃子を食べて喜んでいるし、ラーメン店に行列が出来ているようです。昨年の夏ニューヨークの一風堂に行ったのですが、超満員でしたね。しかも、日本人ではなく地元の人が多く人気が高いことを実感しました。しかし、ラーメン屋に政府が補助金を与えたという話は聞いたことがないですよね。
栗原 むしろ、勝手に伸びてきたところに今さらカネを突っ込もうという話になってますよね。
若田部 アベノミクスに対して、「金融緩和で景気がよくなるはずがない」、といった批判はよくありますが、「国主導の産業政策は上手くいくはずがない」とは不思議と言われません。
栗原 クールジャパンに対する風当たりが強いのは、オタク連中がビビッドに反応するジャンルだからでしょうが、同じことをやっていても、その他の産業になると業種にもよりますけど、民間に投げるよりも公共事業でやった方が何となく好ましいんじゃないかと考えたがる傾向はある気がします。新自由主義批判って、要するにこの漠然とした意識のまとまりですよね。
宮崎駿の経済学
若田部 アニメといえば、今、映画『風立ちぬ』が話題ですよね。宮崎駿の発言を見ていると、アベノミクスに対する反発の典型的な例だと思うんです。ここでは、(『熱風』2013年7月号、スタジオジブリ出版部)での特集「憲法改正」(http://www.ghibli.jp/docs/0718kenpo.pdf)での発言を取り上げてみたいと思います。宮崎さんは経済学の素人なんで、素人に因縁をつけるのはよくないと思うんですが(笑)。
栗原 宮崎さんは由緒正しき素朴な心情左翼なんですよ(笑)。
若田部 宮崎さんは、「グローバル化」とか「市場」が嫌いなんですよね。あれだけグローバル市場で成功している人はそうそういないはずなんですが(笑)。
ですが、彼が懐かしがる日本の光景というのはテクノロジーの結晶なんですよね。蒸気機関車が走るというのもその当時からしてみればハイテクノロジーなわけです。先人が築き上げてきた経済成長や発展の成果なんです。
『風立ちぬ』でも、主人公は視力が悪いため、パイロットになれません。だから飛行機の設計技師になったという話です。しかし、マーケットが開かれていないと、そもそもそのような選択は出来ないんです。
同時に、宮崎駿がアニメで世界的な権威であるというのは、マーケットがあるから成り立っているわけで、まさにアニメの分野で比較優位を持っているから彼は成功を収めているんです。彼の成功は経済学通りに説明出来る。だから経済学が勝利していると思います(笑)。
栗原 ドイツへ飛行機の視察に行った主人公たちが、ドイツのあまりの先進ぶりに驚いて、日本の貧しさを思い知るというシーンには、何かネジくれた違和感を覚えました。
若田部 日本もそれなりに発展していましたからね。とはいえ、堀越二郎が零戦をつくったというのはすごいことだったんだと思います。パールハーバーの時に、零戦を積んだ空母艦隊が奇襲攻撃しましたよね。その時、アメリカの人達は日本のような国が高度なテクノロジーを作れたことに驚いたようです。「実はドイツ兵が日の丸をつけて攻撃していた」という都市伝説が流れたほどだと言います。
なぜ、そんなことが出来たのか。戦前の日本が破格のサクセスストーリーで、経済成長をどんどんしていたからです。だから堀越二郎が生まれたと。
栗原 映画では堀越二郎が天才だったから、ということになっていました。
若田部 もちろん、天才だったんでしょうけど、それを支えるためのインフラがないと天才であることは生かせないんです。
おもしろいのは、映画にはカステラに羊羹を挟んだようなお菓子「シベリア」が出て来ますよね。あの映画には当時のモダニズムの象徴がいくつも描かれています。主人公はそれに対して良い感情を持っていません。しかし、日本の近代化こそが堀越二郎を支えていたと言えます。
栗原 映画評論家の柳下毅一郎さんが『風立ちぬ』の評(「柳下毅一郎の皆殺し映画通信」7月22日 http://www.targma.jp/yanashita/?p=1645)を書いていたんですが、宮崎駿は「矛盾の塊」であると。「ロリコンなのにマザコン」「資本家なのに真っ赤っか」で、なかでも最大の矛盾は「ミリオタなのに戦争反対」(笑)。
宮崎さんって、最初から非常にプライベートなものを作っていた人じゃないですか。にもかかわらず国民的アニメ監督になってしまった。好きなものは変わらず、少女と飛行機と世界が終わった後に来るユートピアのままで世界的作家になってしまったわけです。村上春樹にもそういうところがあって、別に本人にはそんな野望はなくて、非常に卑近なことを掘り下げていたのに、国民的、世界的な作家になってしまった人達という気がするんですよね……
(つづきは「α-Synodos vol.130+131」で! ⇒ https://synodos.jp/a-synodos)
(鬼子母神通りみちくさ市(http://kmstreet.exblog.jp/)トークイベント「いろいろと変わっちゃったから、もういちど本当の経済の話をしよう」より一部抄録)
「本当の話をしよう」
若田部昌澄×栗原裕一郎「いろいろ変わっちゃったから、もう一度本当の経済の話をしよう――『本当の経済の話をしよう』刊行一周年記念」
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プロフィール
栗原裕一郎
1965年神奈川県生まれ。東京大学理科1類除籍。主な活動領域は文学、音楽など。著書『〈盗作〉の文学史』(新曜社、日本推理作家協会賞)、共著『村上春樹を音楽で読み解く』(企画監修、日本文芸社)ほか。
若田部昌澄
1965年、神奈川県に生まれる。早稲田大学政治経済学術院教授。1987年に早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。その後、早稲田大学大学院経済学研究科、トロント大学経済学大学院博士課程単位取得修了。ケンブリッジ大学特別研究員、ジョージ・メイスン大学政治経済学センター特別研究員、コロンビア大学日本経済経営センター客員研究員を歴任。2000年代から、現実の経済問題に発言をはじめ、リフレーション政策支持の論陣を張る。著書に『経済学者たちの闘い』(東洋経済新報社、2003年)、『危機の経済政策』(日本評論社、2009年)、『もうダマされないための経済学講義』 (光文社新書、2012年)、『本当の経済の話をしよう』(栗原裕一郎氏と共著、ちくま新書、2012年)、近著に『解剖アベノミクス』(日本経済新聞出版社、2013年)など多数。