女子高生の、恨み節

安積女子(現安積黎明)高校の、合唱部で歌っていました。お正月の三が日とお盆以外は、毎朝5時に起き、45分ほどかけてメーク(ヘアスタイルは金髪に近い茶髪のアフロ)。銀色のメタリックなスニーカーを履き、校則に違反する黒いタイツと改造した制服を装着して、家を出ました。生意気なヒッピー気取り。

 

「黒いタイツは履くな」と生徒指導の先生に怒鳴られると、「先生。いかなる理屈でもって、白い靴下のほうが黒いタイツよりすぐれていると判断できるのでしょうか」と平然と返す、嫌味な生徒でした。

 

安女ヒッピーとして「努力不足」だと非難されることは癪だったので、部活と学業は必死でやりました。お父さんが最寄りの駅まで車で送ってくれて、時刻表が1時間に1本しかない、ディーゼルエンジンの在来線の始発に乗りました。

 

郡山駅に着くと、「さくら通り」を延々と30分ほど歩きます。ミスド、三万石、ビューホテルアネックス、ホテルハマツ、ザ・モール、福島県の駅前銀座のような大通りです。安女に到着するのはだいたい7時過ぎくらい。教室に荷物を置いて「朝練」へ。ちなみ「昼練」も「夜練」もあります。今はなき東北書店、柏屋本店の朝茶会、うすいのクリニークにテアトル、ぽん太。

 

高校3年間のうち、全国コンクールで「全国1位に相当する賞」を1回だけ落としたときは、この世が終わってしまうのではないかと不安になり、絶望的な気持ちになりました。なにしろ金賞をとらねば、郡山市在住の元県知事が「残念でしたね」と仰るのです。

卒業時「もう絶対に合唱はしない」と決意し、段ボール3箱分くらい楽譜を捨てて上京しました。

 

先日、「女に」のCDをインターネットで購入し約10年ぶりに聴いてみました。谷川俊太郎さんの詩編の中では、最も暗い部類に入ります。聴いたら「また、歌いたいかも」と思ってしまいました。このドロッドロの恨み節。原発震災の綴りのBGMに、うってつけ。

 

(本記事は6月27日付「福島民友」記事からの転載です)

 

 

 

 

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