『乗数効果と公共事業の短期的効果への疑問──藤井聡先生へのリプライ』への追加コメント

本記事は、飯田泰之(明治大学経政治経済学部准教授・シノドス)と藤井聡氏(内閣参与・京都大学大学院教授)の討論のうち、「三橋貴明の 「新」日本経済新聞」(メールマガジン)に掲載された、藤井氏による飯田への追加コメントを転載したものです。この討論は、飯田泰之が月刊誌『Voice』に寄稿した連載「ニッポン新潮流」に、藤井氏がコメントを同メルマガにお書きになったことから始まりました。藤井氏のコメント、飯田のリプライは下記よりご覧いただけます。また本記事に対する、飯田の再リプライも掲載しましたので、ぜひご覧ください。(シノドス編集部)

 

 

藤井聡:「飯田泰之氏のVoice(2014年3月号)への寄稿論説について」

 

飯田泰之:「乗数効果と公共事業の短期的効果への疑問――藤井聡先生へのリプライ」

 

藤井聡:『乗数効果と公共事業の短期的効果への疑問──藤井聡先生へのリプライ』への追加コメント

 

飯田泰之:財政政策に関する政策的・思想的・理論的課題――藤井聡氏からの再コメントへのリプライ

 

 

はじめに

 

当方の討論

 

【藤井聡】飯田泰之氏のVoice(2014年3月号)への寄稿論説について

http://www.mitsuhashitakaaki.net/2014/02/18/fujii-76/

 

に対しまして、ご多用の中、大変丁寧なリプライを頂戴いたしました飯田先生に、改めまして心から御礼を申し上げたいと存じます。

 

飯田氏のリプライを拝読し、さらに当方が差し上げましたいくつかの討論上の論点がさらに明確化して参ったものと思います。

 

とりわけ、建設業の供給制約の問題、およびそれに基づく所謂「クラウディングアウト」の問題や、それを解消するためには「長期計画」を策定し、それをマーケットに提示する必要がある、という点などについては、当方も大いに同意する論点であります。

 

(なお、飯田氏がご提起になった、建設業の供給制約問題は、筆者としては、飯田氏がご主張になった長期計画等によるコミットメントの方略に加えて、建設発注額の単価を、「適正化」していくことが極めて重要であると考えます。単価が安過ぎる場合、建設業者の投資はどうしても進まず、供給力が増進しないからですが、このあたりについては、また別の機会に改めて論じたいと思います)

 

あわせて、「財政政策の効果の低下については、中立命題、マンデル・フレミング効果などさまざまな仮説が提示されてきましたが、これらが現在の日本経済に強く作用しているとは考えづらい状況です」というご指摘も、当方としても強く同意する論点であります。

 

とりわけ、こうした「中立命題」「マンデル・フレミング効果」等、経済学を少しでも学んだ者ならば(筆者も含めて)誰もが理解、場合によっては「知悉」しているような論理である一方、一般の方々はなかなか存じ上げない様な知見を、半ば振りかざすようにしつつ、「中立命題や、マンデル・フレミング効果がある以上、財政政策の効果は限定的だ」と主張するエコノミストや評論家、はては(飯田氏とも様々な形でお仕事をご一緒されている様な)世界的に有名な経済学者達が後を絶たない状況の中で、飯田氏のこうした誠実なご主張は、誠に有り難く感ずる次第であります。こうした飯田氏の勇気あるご発言とも言いうるご発言に、心から敬意を評したいと存じます。

 

しかしながら、飯田氏がこの度ご解説頂いた建設業の供給制約問題についての議論は、当方からの討論で提起致した論点と、必ずしも直接的に関連するとは言い難い側面もございますので、飯田氏から頂戴いたしましたリプライから改めて浮かび上がりました(飯田氏のご議論で準拠しておられる)経済学的における本質的課題について、当方から改めて再コメントを差し上げたいと存じます。

 

そしてその上で、読者の皆様方に、「誠実・真摯かつ理性的」なご判断を委ねたいと存じます。

 

 

 

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