フィリピンを襲った観測史上例を見ないほど猛烈な台風30号

観測史上例をみないほどの猛烈さ

 

『過去に類を見ないほど猛烈』(*1)と形容された台風30号(国際名:Haiyan ハイエン、フィリピン名:Yolanda ヨランダ)。

 

2013年11月8日(金曜日)現地時間午前4時40分(日本時間午前5時40分)、サマール島南端(東サマール州)のギワン町に上陸、そこから時速33キロで西へ進み、レイテ島、セブ島北部、パナイ島、そしてパラワン州北部へと次々と上陸し、翌9日午後3時30分に南シナ海のフィリピン担当地域外へと抜けた。

 

(*1)「台風30号の接近に伴う注意喚起(その3)」在フィリピン日本大使館

 

 

台風30号進路図 【出典】 “Typhoon Haiyan (Yolanda) Landfall” UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs

台風30号進路図
【出典】 “Typhoon Haiyan (Yolanda) Landfall” UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs

 

 

気象庁(日本)によると、台風の勢力は上陸時点で中心気圧895hPa、最大風速65m/s、最大瞬間風速90m/sと発表されており、これは上陸した台風としては観測史上例をみないほど猛烈なものとなる(*2)。さらに米軍合同台風警報センター(JTWC)は最大風速84.7m/s(一分平均)、最大瞬間風速102.7m/sとしており、アメリカのニュースチャンネルCNNは「ハリケーン・カトリーナとサンディを合わせたよりも強い」(*3)と表現した。

 

(*2)観測史上中心気圧が最も低い台風は1979年に発生した台風20号(国際名:TIP)の870hPaであるが、これは太平洋上で記録したものであり、上陸時点では弱い台風となっていた。

(*3)“Typhoon Haiyan stronger than Katrina and Sandy combined” CNN News

 

アメリカ海洋大気庁(NOAA)による記録(*4)を見ると4日(協定世界時3日)に発生した台風は発達を続け、フィリピンに上陸した午前4時40分(協定世界時7日20時40分)には884.6hPaという最も低い中心気圧となり、正午過ぎまでの約7時間、900hPa以下の勢力を保っていたことが確認できる。

 

(*4) National Oceanic and Atmospheric Administration (NOAA)

 

【出典】ABS-CBN Weather Centerからのキャプチャー画像

上陸直前の台風30号
【出典】ABS-CBN Weather Centerからのキャプチャー画像(*5)

 

(*5)ABS-CBN Weather Center

 

日本に上陸した台風と比較してみると、観測史上最も強烈だった室戸台風でも中心気圧は911hPaなので、在フィリピン日本大使館が『過去に類を見ないほど強烈』と表現したことにも頷ける。

 

 

台風30号による被害を受けた地域

 

フィリピンは大小7000を超える島々からなり、大きくルソン地域(北部)、ビサヤ地域(中部)、そしてミンダナオ地域(南部)の3つに分けられる。このうち、台風30号は中部のビサヤ地域を東から西に横切る形で通過し、ビサヤ地域のボホール島とシキホール島を除くほぼ全域(13州)、ルソン地域の一部(5州)、そしてミンダナオ地域の1州の合計19州、人口にして約1700万人が居住する広範な地域に対して、フィリピンの台風警報で最高段階にあたるシグナルNo.4が発令された。シグナルNo.4とは風速51m/s以上の風が12時間以内に予想される場合に発令される警報であり、その影響はココナツ農園に大被害を及ぼし、大木が根こそぎ倒れ、ほとんどの家屋や施設に深刻な被害が及び、停電及び通信網は大規模に断絶し、地域全体で深刻な被害が想定されるというものである(*6)。

 

(*6)THE PHILIPPINE PUBLIC STORM WARNING SIGNALS

 

今回の台風は風速51m/sどころか、瞬間最大風速100m/sに迫る暴風が吹いた。特に、台風の目が通過したサマール島南端地域、レイテ島北部(タクロバンからオルモックにかけて)、セブ島北端ダーンバンタヤン町、セブ州バンタヤン島及びパナイ島北部の被害が甚大であると考えられる。

 

 

YolandaPSWS

【出典】LEXTRIKE氏作成

 

 

 

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