福島レポート

2020.09.29

福島県の森林の放射線量はどのくらい?

基礎知識

東京電力福島第一原子力発電所事故によって放出された放射性物質は、福島県をはじめとする森林にも飛散しました。そこで、福島県は、原発事故後、県内全域の森林内の放射線量率を測定しています。

継続調査する362か所について、2021年3月の平均放射線量率は毎時0.18マイクロ・シーベルトでした。これは、2011年8月(毎時0.91マイクロ・シーベルト)と比べると約80%減少しています。

福島の森林の平均放射線量率は低く、福島の森や林に入ることによる放射線の健康影響を心配する必要はありません。

森林内の放射線量には、場所によってばらつきがあります。そのため、福島県は、標準的な放射線量率を知るための工夫をしています。

まず、各調査か所で1本の標準木を選びます。その標準木周辺の計5地点(標準木から1メートル離れた場所、標準木から東西南北に7メートル離れた4点)の放射線量率を測定し、その平均値をその測定箇所の放射線量率としています。

調査対象は、原発事故後に設定された帰還困難区域と居住制限区域を除く森林です。初めて調査した2011年度は、362か所で行いました。調査する場所は年々増え、今では1,300か所に及びました。

2011年からずっと測りつづけている362か所のうち、全体の70%にあたる256か所で、国が住宅などで実施する除染の長期目標(毎時0.23マイクロ・シーベルト)を下回りました。

継続調査の362か所に関して、原発事故後15年後(2026年3月)に毎時0.15マイクロ・シーベルト、20年後(2031年3月)に毎時0.14マイクロ・シーベルト、25年後(2026年3月)には毎時0.13マイクロ・シーベルトまで減少すると予測しています。

福島県の調査結果から、県内の森林の多くの場所では、放射線量を心配しなくてもよいレベルとなっています。

福島県の森林面積は、県土全体の約71%を占め、林業は大切な産業です。また、福島の山間部では、森林を散策し、キノコや山菜を採るという文化があります。原発事故で放射性物質が飛散した影響で、かつての生活のかたちを変え、代々続いてきた文化を中断することを余儀なくされることは、けっして小さな問題ではありません。(2021年5月26日更新)

参考リンク

令和2年度森林におけるモニタリング調査結果について(福島県サイト)
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/446206.pdf