2023.11.07

環境運動と社会改革――ナショナル・トラストの創設者オクタヴィア・ヒルをめぐって

木村美里×吉永明弘

社会

シリーズ「環境倫理学のフロンティア」では、環境倫理学の隣接分野の研究者との対話を行っています。今回は「環境思想×環境倫理学」として、環境思想研究者の木村美里さんと対話を行います。木村さんは、19世紀末の英国でナショナル・トラストを創設したオクタヴィア・ヒルの研究を行っています。ナショナル・トラストは、相続や開発などで失われようとしている自然の景勝地や歴史的建物を、所有者からの寄贈や買取などによって取得することで後世に残していく取り組みを指します。この取り組みは近代の環境運動のなかで最も成功したものの一つといえるでしょう。今回の対話では、イギリスのナショナル・トラストの成立の背景に、ヒルによる住宅改良などのプロジェクトがあったことに注目します。ナショナル・トラストは19世紀末の英国の社会改革の一環として理解することができるのです。

「環境思想」の定義について

吉永 木村さんのご専門は「環境思想」で、私の専門である「環境倫理学」と何が違うのか、というところから始めたいと思います。私の認識では、環境倫理学は生命倫理学や情報倫理学と並ぶ、応用倫理学の一種であって、つまるところ「哲学」のなかの「倫理学」の一部です(もっとも私はその枠からだいぶ外れていますが)。それに対して、環境思想は、経済思想、政治思想、社会思想といった「社会科学」における「思想」の一つだと考えられます。他方で木村さんは、「ピューリタニズムと英文学」という論考の中で「環境人文学」にふれ、「人文学の復興」を唱えています。このあたり、ご自身のなかでの「環境思想」の位置づけについて、お話しいただければと思います。

木村 環境思想を定義する前提に、「環境」の定義が必要かと思います。ヒルにとっては、住環境、自然環境(オープン・スペース)、歴史的環境などでした(「など」の部分は後述します)。ヒルを研究する中で、自分自身としては、環境をかなり広義の意味で捉えています。総合的環境と呼ばれる考え方に近いです。近年、環境思想は多様な分野と結びついています。環境人文学もその傾向の一つといえるでしょう。その意味では、「環境思想とは、環境に関するあらゆる分野の考えをまとめたもの」といえます。しかしながら、もともとは環境倫理と密接な関係があり、どの分野の環境思想においても倫理とは切り離せない印象を個人的には持っています。環境思想関連の文献の著者が、環境倫理学の研究者であることも多く、環境倫理学と環境思想は互いを必要とし、支え合う関係にあるのではないでしょうか。

自分の学問領域は便宜上、「思想史」としていますが、折衷学的な考えをもっているため、思想史研究や環境思想の定義の枠からは外れてしまっているかもしれません。ただ、例外的な存在ではありつつも自分の研究は、環境思想における「理想実現」(思想と実践の共生)に位置づけられるのではないかと考えます。理論や理想だけでなく、それを実現するための実践を取り入れた環境への考え方であり、その影響は、ヒルやナショナル・トラスト(以下トラストと表記する場合もある)の精神的基盤から受けています。

オクタヴィア・ヒルの活動について

吉永 ありがとうございます。ヒルはイギリスのナショナル・トラストの研究者には知られていますが、一般にはあまり知られていません。ここであらためて、彼女の活動と、それに注目する意義についてお話いただければと思います。

木村 トラスト創設と並んで、貧者への住宅改良運動(中島明子『イギリスにおける住宅管理:オクタヴィア・ヒルからサッチャーへ』東信堂、2003年を参照)、オープン・スペース運動(中島直子『オクタヴィア・ヒルのオープン・スペース運動-その思想と活動-』古今書院、2005年を参照)が、彼女の有名な活動です。これらに関連するものとして、女性協同ギルド、慈善組織協会の仕事も挙げられます。教育的側面であれば、貧しい人々への指導やソーシャルワーカーの育成、個人家庭教師や家族経営の私営学校ノッティンガム・プレース・スクールの教員としての働きも挙げられます。ヒルは、貧困層の人々を従業員や借家人という一括りとしてみるのではなく、一人ひとりの人格を重んじ、接しました。その姿勢は、今日の考えにも通用するところです。19世紀の女性社会改良家と呼ばれるだけあり、社会や人々の生活を少しでも良くするために尽力した人物です。

環境思想やトラスト関連では、彼女の姉ミランダが創設した、カール協会(Kyrle Society)での活動も大切なもののひとつに思います。先述の「環境など」の話につながります。このカール協会は美の普及を目的とし、4つの部門に分かれています。その中には、オープン・スペースの他に、装飾(美術)、音楽、文学が含まれます。彼女にとって、人格形成を行う環境には、自然環境や歴史的環境と共に、芸術(美)も重要な要素として捉えられているのです。このカール協会には、ウィリアム・モリスも関係しているため、モリスを異なる視点で掘り下げることが可能かもしれません。オープン・スペース部門は、トラストの創設にも関係があります。

英国のトラストの最大の特徴は、「民間の非営利団体」ということです。ナショナル・トラストの「ナショナル」の意味は、「国民の」であり、「国家の」ではありません(詳細は、グレアム著・四元忠博訳『ナショナル・トラストの誕生』緑風出版、1992年を参照)。また、会社法に基づく団体のため、非営利目的の団体でありながらも、目的のための関連会社による事業とその会社から寄付を受ける仕組みができています。例えば、トラストには「National Trust (Enterprises) Limited.」という関連会社が存在し、小売業を行っています。さらに、「ナショナル・トラスト法」という譲渡不能の宣言や非課税・減免措置に係る法律が整備されている点もトラストの素晴らしさだと思います。トラストのプロパティの寄贈者が、一定の公開義務を果たすことにより、その子孫までも住み続けることができることも大きな特徴です。人々の生活に密着し、いかに負担を軽減した保全事業を行えるかの工夫が創設当初から行われているといえるでしょう。これに対して日本の場合、一部の既得権者を優遇し、多くの近隣住民との対話を無視し、対立を生む、人々が住みづらい構造ができていることが残念でなりません(これは、自分の体験談も含まれます)。

英国と日本のナショナル・トラスト

吉永 ヒルの活動の幅広さが分かりました。ともあれ、まずは一番有名なナショナル・トラストの話をしたいと思います。日本にもナショナル・トラストはありますが、日本の場合は、北海道斜里町の「しれとこ100平方メートル運動」に代表されるように、全国から寄付を募って、そのお金を土地の買取の財源に充てるというのが一般的ですよね。ところがイギリスの場合は土地所有者からの寄贈によって土地を取得することが多いと聞いています。同じナショナル・トラストでも、本家イギリスと日本ではだいぶ違いますね。

木村 トラストへの寄付や遺贈が多いのは、やはり与えられる特権の大きさが関係していると考えます。また、英国でも人々から募金などの支援を行う「アピール」が存在します。ヒルはこのアピールを担当していたといわれています。トラストは「貴族の団体・お金持ちのための団体」と思われることもありますが、あれだけの組織を築くにあたり、王室や政府、貴族や有識者などの協力は必要不可欠でした。しかしながら、先ほど申し上げた通り、トラストは、「国民のための」団体です。少なくともヒルは、金銭的余裕がない中、少額の寄付や協力を申し出る労働者に感銘を受けています。そしてここでも過度な募金活動に警鐘をならし、無理強いのない、自発的な寄付を望んでいます。日本においては、ヒルやトラストの精神的基盤の継承や寄付、寄贈、遺贈などによる土地や建物の取得及び管理に関する仕組みづくりの道半ばの印象を受けます。

吉永 「公益社団法人 日本ナショナル・トラスト協会」のHP(http://www.ntrust.or.jp/)を見ると、日本には多数の団体がそれぞれでナショナル・トラストの活動(募金と土地取得)をしていることが分かります。それに対して、イギリスではナショナル・トラストというのは一つしかなくて、その一つがイギリス中の土地を取得し管理しているというのも、大きな違いですよね。日本ナショナル・トラスト協会は自身で土地取得をしてもいますが、基本的には各地の団体の連絡機関ですからね。

木村 そうですね。日本において、ナショナル・トラスト運動を行うことは、非常に大変なことだと思っています。日本でナショナル・トラスト法は、未だ制定されていません(現在も制定に向け、絶え間ない努力が続けられていますが)。そのような中で、協会が土地取得をできるようになったことは、その一歩がどんなに小さいものであったとしても、大きな変化です。しかしながら、将来の維持費の財源確保や書類作成における課題など、協会や各地の団体が抱える状況にはまだまだ支援が必要です。ちなみに「公益財団法人 日本ナショナルトラスト」という、「公益社団法人 日本ナショナル・トラスト協会」とは別の団体があり、こちらも熱心に活動されています。

オクタヴィア・ヒルとの出会い

吉永 日本にナショナル・トラストという仕組みを広く紹介した人は、小説家の大佛次郎だとされています。これは木原啓吉『ナショナル・トラスト』(三省堂、1988年)に書いてある話で、私はこの本を読んでナショナル・トラストの存在を知りました。ちょうど高校生の時(1990年代初頭)に、毎日のように環境問題のニュースを目にして、悲観的な話ばかりでげんなりしていたところに、この本を読んで、すごく前向きな話だと思って、強い印象を受けたのを覚えています。この本には、イギリスのナショナル・トラストの創設者として、ローンズリー、ハードウィック、オクタヴィア・ヒルの名前が挙げられています。私はここではじめてヒルという人を知りました。木村さんがヒルを知り、研究を始めたきっかけは何だったのでしょうか。

木村 木原先生のご著書を含め、トラスト関連の書籍は、いつも前向きな気持ちを与えてくれます。研究を始めたきっかけは、修士論文の中で、英国ナショナル・トラストを調べたことでした。修論テーマは、観光における日英のナショナリズムであり、英国の衛兵交代を日本の皇居前広場で観光行事(儀式)として行えないかという、一風変わったものです。博士後期課程においてもこのテーマを継続する予定でしたが、研究範囲が広すぎることから、英国ナショナル・トラストに着目し、さらにその中で創設者の一人であるオクタヴィア・ヒルを研究することとなりました。しかしながら私にとって、ヒルとの「本当の」出会いは、博論執筆の過程で先行研究を確認した際です。E.モバリー・ベル著、平弘明、松本茂翻訳、中島明子監修『英国住宅物語』(日本経済評論社、2001年)を読み、このヒルの伝記の中で語られた言葉に感銘を受け、今に至ります。こちらの伝記はぜひ研究者だけではなく、広く一般の方に読んでいただきたいです。

日本でナイチンゲールの名を聞けば誰もが知るところですが、当時同じくらい英国で活躍したオクタヴィア・ヒルは、ほぼ知られていません(ヒル本人にも原因はあります)。おそらく、薔薇の名前としてのオクタヴィア・ヒルが、日本では一番有名かもしれません。日本におけるヒルの研究者の数も少ないです。そのため微力ながら、ヒルの思想と活動を後世に伝えることは、自分の生涯の使命の一つと捉えています。大袈裟に聞こえるかもしれませんが、日常において、彼女の思想を実践に取り入れることを意識するということです。この話はあまり理解されないのですが、例えば、大谷翔平選手が渋沢栄一『論語と算盤』を読み、野球における自身の目標などに活かすイメージと同じです。時に挫けそうにもなりますが、ヒルのいう「高い理想と大きな希望」、「その両方を実現するための忍耐力」を忘れず、頑張りたいと思っています。

ヒルの思想の特徴について

吉永 木村さんの論考「オクタヴィア・ヒルにおける「永続する精神」」を拝読して、多くを教えられました。ヒルの思想形成に大きな影響を与えたのは祖父のサウスウッド・スミスで、この人は功利主義者ベンサムの友人であったこと、ヒルの父親が社会主義者ロバート・オーエンの影響を受けていたこと、ヒルによる貧困層の住宅改良にラスキンが資金援助をしていること、こうした19世紀末の多様な思想家たちにヒルは囲まれていたのですね。そのうえでヒルは社会主義や後年の福祉国家的な貧困対策の方向には行かず、貧困者の中に入って自立支援を中心に据えていたというのは面白いところです。

木村 拙論をお読みいただき、ありがとうございます。オクタヴィア・ヒルに限らずですが、この時代の人々の関係性と活動は、まだ掘り下げる要素が多々あります。ヒルは歴史的に重要な人々からの知識・考えを吸収し、また、自らの経験も踏まえて最善の部分を折衷する柔軟性をもっていました。彼女自身、これまでの手法を盲目的に踏襲しないでほしい、状況が変われば、様々な努力が必要になると述べています。ただし彼女は、手法は変えても「目に見えないもの」、すなわち精神の永続性は重要であると主張します。「永続する精神」はヒルの言葉を短く集約したつもりであり、私自身はヒルの言葉のイメージをもって使用しましたが、他の方からは「木村さんの造語になりますね」といわれたこともあります。いずれにせよ、ヒルの伝えたいことが効果的に伝わってほしいです。

そして、ご指摘のあった「施し」ではなく、「自立」を重要視する点にも意義があります(出島有紀子「オクタヴィア・ヒルの住宅管理とヴィクトリア時代の住宅問題」桜美林大学人文学系『桜美林論考. 人文研究』5巻 59-70頁も参照)。金銭的援助では、その場しのぎの対策であり、根本的な解決にはなりません。ヒルは住宅改良の際に立ち退きという厳しい措置も取りますが、同時に、仕事の斡旋などの自立支援も行っています。言葉ではなく、自らが実践することで手本となる場面もありました。根気強さが求められる仕事ですが、ヒルは経済至上主義や開発推進の時代の流れの中で、その先の社会や人々の生活の在り方を予測・危惧し、思い描いていたといえます。また、彼女の現実主義的な視点も高く評価されます。他の創設者が、「トラストは夢想家の団体ではありません」と述べている通り、トラストはただ環境保護の重要性を訴えるのみではありません。実際に土地や建物を取得し、保護・保全活動も行います。やはり国民が「自立」して自国の美しい自然の景勝地や歴史的建物を守るという、ヒルが永続を願った形式ではない精神を共有することは大切です。トラストが530万人以上の会員を誇り、今日もその活動を継続している――このことが精神の継承及びトラスト成功の証明です。

J.S.ミルのオープン・スペース保存運動

吉永 国立公園(ナショナルパーク)がアメリカ独自の発想であるのと同じように、ナショナル・トラストはイギリス独自の発想だと思っていたのですが、実はアメリカのTTOR(The Trustee of reservation)から着想を得ていたということを、木村さんの論考で初めて知りました。とはいえ、イギリスには資本家の「囲い込み」に対して共同利用できるオープン・スペースを守ろうという運動があり、ナショナル・トラストの源流はオープン・スペースの保存運動にあるといえるわけです。

このオープン・スペースの保存運動には功利主義の倫理学者にして政治経済学者のJ.S.ミルが参加していたといわれていますが、木村さんの論考にはミルが出てきません。他のミルの概説書を読んでも、オープン・スペースの保存運動にふれているのはわずかです。しかしこのことはもっと研究されてもよいかと思います。というのも、倫理学ではもっぱら『功利主義』と『自由論』が、政治学では『自由論』と『代議制統治論』が、経済学と環境倫理学では『経済学原理』(特に定常状態論)が取り上げられるのですが、環境倫理学でミルのオープン・スペースの保存運動を掘り下げるのには価値があるように思うからです。

木村 おっしゃる通り、J.S.ミルは功利主義や自由論、経済学において扱われることが多いと思いますが、環境保全の運動においてもより研究されるべきと考えます。トラストは、オープン・スペース運動における既存の団体の限界から、誕生しました。やはり、トラストの源流には、オープン・スペース運動があります。私は博論作成にあたり、ミルが共有地保存協会創設にかかわっていた事実は把握していたため、指摘はしていますが、残念ながら、それを掘り下げるとことまではできませんでした。最近調べたところ、四野宮三郎『J・Sミル思想の展開II』(御茶の水書房、1998年)において、トラストや共有地保存協会、ミルの土地倫理の思想が論じられています。

TTORについては、その創設者が英国を含め、欧州の環境保護活動を研究したといわれています。したがって、TTOR側も共有地保存協会などのオープン・スペース運動を参考にした可能性が考えられます。TTORについては、宇都宮深志『緑の環境創造 都市再生への実践的提言』(清文社、1986年)、同『環境理念と管理の研究 地球時代の環境パラダイムを求めて』(東海大学出版会、1995年)をご参照ください。日本において、TTORの存在があまり知られていない点は残念に思います。美術館や博物館のように自然や建物を購入し、保全するという発想はとてもユニークであると考えます。また、早い段階で日本の研究者は、英国の環境保護・保全運動について成果公開をしています。しかしながら、先人の研究が後世に継承されない事は、課題です。そのため、AIなども活用し、分かりやすい資料整理が必要かもしれません。

また、ヒルやローンズリィ牧師の研究は、一定の成果公開が進められていますが、創設者の一人であるロバート・ハンター研究はまだ残されている印象を受けます。19世紀英国は、私たちにとってまだまだ魅力ある研究領域です。

環境思想は環境倫理なくしては成立しないといっても過言ではありません。そのため、今後も環境倫理学と思想分野との学問的連携が必要不可欠であると考えます(すでに行われていますが)。また今日の環境思想は、実践にも目を向けなければなりません。オクタヴィア・ヒルの「永続する精神」やトラストは、まさにその「理想実現」を体現した例として挙げられるのではないでしょうか。

吉永 環境倫理学も、そろそろ理想を実現することを考える段階に入っているといえます。こうした過去の思想家にして実践者のお話は参考になります。今日はどうもありがとうございました。

プロフィール

吉永明弘環境倫理学

法政大学人間環境学部教授。専門は環境倫理学。著書『都市の環境倫理』(勁草書房、2014年)、『ブックガイド環境倫理』(勁草書房、2017年)。編著として『未来の環境倫理学』(勁草書房、2018年)、『環境倫理学(3STEPシリーズ)』(昭和堂、2020年)。最新の著作は『はじめて学ぶ環境倫理』(ちくまプリマ―新書、2021年)。

この執筆者の記事

木村美里環境思想

聖学院大学特任講師。専門は英国の環境思想。主な業績は、「オクタヴィア・ヒルにおける「永続する精神」-理想実現としてのナショナル・トラスト」(聖学院大学総合研究所『聖学院大学総合研究所紀要』44号、2009年)、「環境思想の継承―オクタヴィア・ヒルとナショナル・トラストの関係についての一考察」(科学研究費補助金研究(研究課題/領域番号:24720040)、2012年4月-2015年3月)など。最新の論文は、「ピューリタニズムと英文学―ミルトン『アレオパジティカ』における一考察とその現代的意義―」(日本ピューリタニズム学会、『ピューリタニズム研究』第17号、2023年)

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