車椅子から見える世界――私はこんな、困ってるズ!

■階段苦労話

 

階段は車椅子にとって大鬼門。階段のない道を、スロープがある場所を探して事前調査も欠かしません。車椅子は4輪車です。前輪の小さな車輪2つと横についている大きな車輪が2つ。段差などは小さな車輪をてこの原理で持ち上げられれば1段なら女手でも登らせることが可能です。

 

しかし1段が平気なら2段3段くらいは登れるでしょう?と思ってしまいがちですが、階段の段に車椅子本体が乗り切らないと、てこの原理で傾けることができず、結果階段をまとめて登らせることになり、女手一人ではとても持ち上げられる重さではありません。

 

車椅子の重量は20キロ弱。身体の重さを入れたら持ち上げられなくて当然といえます。我が家では右手に手すりがあれば手すりをつかんで2.3段なら余裕を持って登ることができるようになりましたが、困ってしまうのは「玄関前におしゃれデザイン的にある5段くらいの手すりがない階段」です。今のところお手上げ。

 

そうして健常者にとってはなんと言うことのない階段なので階段があること自体忘れて車椅子でたどり着いてからはっとすることが少なくありません。

 

 

■車椅子に関するお手伝いって

 

車椅子への手伝いというとイメージとしては「数人で抱えて階段を上げ下ろしする」「坂道を押してあげる」などではないでしょうか。しかし我が家のような介助者がいる場合は複数の人間に手助けしてもらわなければならない場合は異常事態です。介助者がおらず単身で車椅子で活動している方の場合はさらに困惑した緊急事態であると考えられます。

 

車椅子を利用している人間は介助が必要な場合は介助者が、自力で移動可能な場合は本人が、それは緻密に行く先までのルートや方法を調べ上げなんとか「人の手を借りずに」自力でたどり着けるよう作戦を練っていることが多いはずです。(そうでない方もいらっしゃるかもしれませんが。)ただ不自由はもちろんあります。そこにはお手を煩わすことが申し訳ないながらも助けていただけるとありがたいことがいくつかあります。

 

介助者にとって車椅子の人間を一人で放置することは一番避けたいことです。片手で車いすを保持しながら扉を開けることの難しさ。大荷物で歩いたことがある方は少なくないはずです。キャリーバックの数倍、ベビーカーよりも大きい車椅子。車椅子後ろのグリップ位置からは腕が2メートルくらいないとドアを開けることはできません。

 

ファミレスなどによくある2重扉などは特に苦労します。車椅子の人間をどこかに放置して、ドアを開けてしまらないように固定して通り抜けねばなりません。(それも2回!)車いすのほうをどうにかしてほしいとは考えもしませんがちょっとだけドアを押さえていていただけると本当にありがたいのです。

 

また移譲(車いすから椅子などへの乗り移り)可能な我が家の場合、移譲時や立ち上がりを手伝ってくださる方が多くありがたいのですが、むしろ本人はなれた介護者である私以外の介助を怖がりますので、移譲中の障害者には触れず、立ち上がった後の車いすを声掛けしていただいて邪魔にならない位置においていただけるとありがたいです。

 

見えない、ことはすなわち苦労と苦労でないところの境がわからないことではないかと思います。見えない、ことを意識して見ようとしていくことでみんなの見える地平が広がる、そんな世の中になっていけばいいと心から思っています。

 

 

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