病児保育を社会インフラに ―― 認定病児保育スペシャリスト資格

―― 病児保育が充実することは、社会にどんな影響を与えるのでしょうか。

 

繰り返し述べますが、いま病児保育のサービスはまったく足りていません。一人親家庭の場合、子どもが熱をだしたら自分が休んで看病するしかなく、頻繁に仕事を休むことになれば、職を失うことにも繋がるでしょう。病児保育が受けられれば、厳しい経済状況におかれているご家庭にとってプラスになると思います。

 

いみじくも日本は、2050年に超高齢社会に突入するといわれています。全人口のうち3分の2程度しか働き手がいない状況に陥るともいわれています。いかに働き手を増やすか、これは日本がいま抱えている非常に大きな問題なんですね。

 

そんななか、いま日本にある唯一の希望は、女性が働くことです。日本は、先進国のなかでもっとも女性が働いていない国です。そして彼女たちは働かないのではなく、働けない状況にある。というのもいまの日本では、育児と仕事の両立がとても難しいんです。子どもが生まれたら仕事を辞めなくてはいけない。であれば、彼女たちが育児と仕事を両立できるように保育のインフラを整備しなくてはいけません。

 

病児保育の担い手を増やし、安心してお子さんを預けていただく環境をつくる。それによって育児と仕事の両立が可能になると思います。病児保育は保育所と並ぶ非常に重要な保育インフラです。超高齢化社会を迎え撃つためにも、保育インフラを当たり前の社会インフラにしたい。

 

これは認定NPO法人フローレンスの活動を通して、骨身にしみて感じてきたことでもありますが、いち早く社会インフラとして整備するためには、病児保育の担い手が増えなくてはいけません。人材を育成するための資格として、この認定病児保育スペシャリスト資格を活用していただきたい。そして全国どこでも当たり前の病児育児が行われるようになってほしいと思っています。

 

認定NPO法人フローレンス http://www.florence.or.jp/

 

 

―― 活動主体の日本病児保育協会とはどんな団体なのでしょうか。

 

一般財団法人日本病児保育協会は、病児保育に携わるNPO法人や団体が立ち上げた協会です。

 

子ども・子育て関連3法では、消費増税にともなう増収分のうち、毎年約7000億円を保育サービスの充実のために使用することが決まりました。この3法の成立により、保育業界は新しい局面に迎えようとしています。いまこそ病児保育のあり方を見直し、新たな一歩を踏み出さねばなりません。

 

病児保育は社会的にまだまだ認知度が低い。そこで当協会は、病児保育が当たり前の社会インフラとすることを使命と考え、そのために病児保育の認知度や質の向上をめざし、また担い手通しが繋がる場を生み出したいと考えています。その具体的な活動として、この認定病児保育スペシャリスト資格を創設したわけです。

 

 

―― プレスリリース後、どのような反応がありましたか。

 

「受講したい!」という声は、SNSで多数みられました。

 

まだ講座は始まっていませんが、ホームページでは保育スキルアップ・オープンセミナーのご案内などを行っていますので、ぜひチェックいただきたいと思っています。

 

 

―― 最後にメッセージをお願いいたします。

 

この認定病児保育スペシャリスト資格は社会的な事業ですので、売り上げ目標などはありません。ひとりでも多くの方が病児保育のノウハウを身につけてくださることに重きをおいて活動しています。

 

ですから、より多くの保育者の方にこの認定病児保育スペシャリストの資格を受けていただき、病児保育を行える保育者になっていただきたいと思います。そして病児保育に携わり、ひとりでも多くのご家庭を助けてください。

 

いまフローレンスを中心に、さまざまな病児保育のサービスが生まれつつあります。認定病児保育スペシャリスト資格が、いまの流れがどんどんと広がっていく流れをつくりだすきっかけになることを願っています。

 

(2013年1月25日 電話インタビューにて)

 

 

AWS Access Key ID: AKIAJSA5SEKND2GVG7TA. You are submitting requests too quickly. Please retry your requests at a slower rate.

 

 

 

シノドスのコンテンツ

 

●ファンクラブ「SYNODOS SOCIAL」

⇒ https://camp-fire.jp/projects/view/14015

 

●電子メールマガジン「αシノドス」

⇒ https://synodos.jp/a-synodos

 

●少人数制セミナー「シノドス・サークル」

⇒ https://synodos.jp/article/20937

 

 

 

 

1 2
シノドス国際社会動向研究所

vol.2019.4.15 

・打浪文子「知的障害のある人たちと「ことば」」

・照山絢子「発達障害を文化人類学する」
・野口晃菜「こうすれば「インクルーシブ教育」はもっとよくなる」
・戸谷洋志「トランスヒューマニズムと責任ある想像力」
・濵田江里子「「社会への投資」から考える日本の雇用と社会保障制度」
・山本章子「学びなおしの5冊 「沖縄」とは何か――空間と時間から問いなおす」
・鈴木崇弘「自民党シンクタンク史(6)――設立準備期、郵政民営化選挙後」