LGBTが生きやすい職場のために

レズビアンの非正規雇用率は低い

 

―― 今日はLGBTと仕事というテーマでお話いただきたく、皆さんにお集まりいただきました。最初に村木さんが虹色ダイバーシティで行われたアンケート調査の分析結果についてお話をいただき、その後、議論に入っていただきたいと思います。まずは村木さんから自己紹介をお願いします。

 

村木 村木真紀です。レズビアンです。2012年に、「虹色ダイバーシティ」という団体を作り、企業向けのLGBT研修を始めました。この活動がヒットし、いろいろな企業から声がかかるようになったので、脱サラをして、これから本業として頑張ろうと思っています。

 

遠藤 遠藤まめたです。地方公務員として働きながら、2010年に明智さんと立ち上げた「いのちリスペクト。ホワイト・リボンキャンペーン」で活動しています。FtMのトランスジェンダーです。主にLGBTの自殺対策をやっていますが、特に労働環境の問題は重要だと思い、就職試験においてセクシュアル・マイノリティが受けている不利益などについて取り組んでいます。

 

明智 明智カイトです。私はゲイで、民間企業で働いています。10代の頃にいじめを受けていて、19歳のときに自殺未遂を経験しました。大人になり、同性愛者に対するいじめや自殺をなくしたいということで、遠藤さんと「いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」でボランティア活動をしています。私は、当事者だけが頑張るのでなく、社会全体が生きやすくなるように、法の整備や公的支援の整った環境がつくられるようにしたいと思い、国会議員などにロビイング活動をしています。

 

 

セクマイ鼎談

 

 

―― ありがとうございます。それでは早速、アンケート調査の分析結果についてお話ください。

 

村木 今回は、企業にLGBT対応を推進してもらうための材料としてアンケートを集めました。ウェブフォームを使って収集し、回答者は1125名でした。設問は20問。各年代、セクシュアリティの人から回答がありました。当たり前ではありますが、東京だけ、一部の業界や職種だけでなく、すべての地域、業界、職種に当事者がいました。

 

 

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まず非正規雇用率をLGBTごとに見てみると、男性一般の統計と同性愛者では変わりないのですが、女性一般と同性愛者を比べると、同性愛者の非正規雇用率が低くなっています。これは「男に頼らず生きていく」ということで正社員や自営業で働いている方が多いということだと思います。それからトランスジェンダーの中でも、MtFの非正規雇用率は男性一般と比べると高いことがわかりました。

 

 

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次に転職経験です。一般の51.8%に比べて、LGBTは60%もある。私自身、いま38歳ですが、すでに5回転職しています。私の場合ですが、初めて就職した大手メーカーの企業は、安定している一方で男性中心の雰囲気がある職場だったためにうまく馴染めませんでした。次の転職先である外資系企業は、差別禁止ポリシーを掲げて性的指向による差別を禁止していたので期待していたのですが、結局、日本人マネージャーが運営しているので、他の日本企業と大して変わりがありませんでした。少し残念に感じたことを覚えています。

 

転職については、MtFの68.3%が転職を経験していて、転職率が非常に高い。さらに3回以上転職している人は41.3%もいました。今回は年収を聞いていないのですが、転職を繰り返す層の中には貧困の問題をかかえる人が含まれているのでは、と思っています。

 

遠藤 トランスジェンダーの場合、性別を変える手術など、それぞれの節目で仕事を辞めざるを得ないのだと思います。

 

 

 

 

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