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2018.09.01

これだけは知っておきたい「アメリカ政治講義」

西山隆行

「一つの中国」とは何か?――国民国家の体制と歴史的な多元性との間で

岡本隆司

学び直しの5冊〈進化〉

木島泰三

どのように「ブラック校則」をなくせるか――ジャーナリズム×アカデミズムの可能性

荻上チキ×内田良

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いつもお読みいただきありがとうございます。シノドスの芹沢です。「αシノドス」vol.251をお届けましす。

一本目の記事は、先日ちくま新書から『アメリカ政治講義』を出版された西山隆行氏へのインタビューです。アメリカというと報道量も大きいため、何となくわかったつもりでいます。しかし、『アメリカ政治講義』を読んでいると、「え、そうだったんだ!」という記述が頻出し、アメリカについて基本的なところからわかっていなかったのだと痛感します。このインタビューを読んで同じように感じたら、ぜひ本も手に取ってみてください。政治から文化まで(そもそもこのような広い範囲でアメリカについて語ることができる存在が稀有です。)、目からうろこの連続ですよ!

ついで、名著『中国の論理』の著者の岡本隆司氏に、「一つの中国」とは何か?についてご解説いただきました。じっさいは一つではないから一つだと強弁するわけですが、このことによって、民族問題や国境紛争、「一国二制度」、通貨といったさまざまな領域で矛盾や摩擦が生じます。そして、このような矛盾や摩擦の根幹にあるのは、17世紀に完成した清朝の多元共存と、19世紀後半から20世紀前半にかけて目指された「中国」という国民国家とのあいだにある、いまだ解消されない齟齬です。そうであるならばこの問題は、テロや難民問題に揺れる現代世界そのものの大問題にも通じます。

そして、今月の「学び直しの5冊」、テーマは「進化」です。シノドスでもおなじみの吉川浩満氏が出された『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』という本が評判ですが、じわじわと「進化」というテーマが熱くなってきています。そこで、ダニエル・C・デネット『心の進化を解明する――バクテリアからバッハへ』の訳者である木島泰三氏に5冊選んでいただきました。社会生物学論争から進化論の哲学的考察まで必読の5つです。注もとても充実しているので、ぜひじっくりとお読みいただき、面白そうだと思った推薦本を手に取ってみてください。この分野になじみのない読者は、人間観がガラッと変わりますよ!

さいごに、教育学者の内田良氏と評論家の荻上チキ氏による「ブラック校則」をめぐる対談です。両氏の調査によると、じつは校則、かつてよりも強化されているようです。それも下着の色を指定するなど、およそ近代社会とは思えないところまで管理と介入が及んでいます。校則に限らず、どうも社会全体で道徳主義的な管理社会になってきているように感じます。いったいなぜそのような事態が進んでいるのか? こうした問いを頭におきながらお読みいただけるとよいと思います。

まだまだ残暑が厳しいようです。どうぞご自愛ください。次号は9月15日配信となります!

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