2015.03.14

イエメン国内が政治・治安上の危機を迎えたことで、落書き芸術「路上風刺画」の動きが再燃した。これは、昨年8月に若い画家、ズィー・ヤザン・アラウィーが起こしたキャンペーンで、現在のイエメンとアラブの問題を定期的に批判するものである。

親イランのフースィー派によるクーデター以降、イエメンは政治的危機に直面している。これを反映して、ズィー・ヤザン・アラウィー、ヌールッディーン・ヤマニー、マージド・カフターンらが、一昨日、首都サナアの中心部の道路の壁に風刺画を描いた。

風刺画は、国内で起こっている危機と、それを悪化させている内外の勢力に対する批判を反映したものである。これは、1月にフースィー派の武装勢力が権力を掌握して以降の国内状況の悪化を受けた、人々の関心の広がりを表している。

d3b82d0ae639423bb2087bc4d2290776

今回のキャンペーンは、昨年夏に始まった「路上風刺画」パフォーマンスの第6回目であり、その絵は続いて「ジュルア」(ガソリン価格上昇の決定に対する通称)を批判した。「ジュルア」は、フースィー派の指導者であるアブドゥルマリク・フースィーが、昨年9月にサナアを包囲、侵略するために行った企てである。

2012年に、イエメンで最初の落書き芸術の動きが、若い画家ムラード・サビーウによって起こって以来、道路の壁は男女問わず若い画家を魅了する自由な空間となった。そして、日々様々な問題を抱え、表現の自由を奪う社会に対する考えを、彼らに表現させている。キャンペーンの企画者らは、風刺画が人々の権利と自由についての意識を呼び覚ますこと、また絵画から奪われつつある美的感覚を、学力低下と武器普及という二つの現象に苦しむイエメンで発展させることに貢献するよう望んでいる。

al-Hayat紙(2015年03月14日付)/ 翻訳:メディア翻訳アラビア語班

■本記事は「日本語で読む世界のメディア」からの転載です。