「新しいリベラル」を構想するために
価値の多元性を肯定するリベラリズムは現在、大きな困難に直面しています。それは、異なった価値観をもつ人たち、あるいは集団が、その多様性を保ったまま、いかに共生しうるのか、という問いです。調停不能な対立や分断に貫かれることなく、また同一の価値観を強制するような共同性に染め上げられることもない社会、そして人びとが自由にその多様な可能性を開花させていくことのできる社会はいかにして可能になるのでしょうか。このコーナーでは、こうした問いを思考するための知や教養をお届けします。
-
パートナーに求めるものは財産、若さ、知能、それとも家事能力?――男女同権がパートナー選びや社会にもたらす影響
穂鷹知美
-
「社会への投資」から考える日本の雇用と社会保障制度
濵田江里子
-
“子育て罰”を受ける国、日本のひとり親と貧困
桜井啓太
-
兵器化される情動反応――2019年インドネシア大統領選挙にみる選挙テクノロジーの影
本名純
-
対話プロジェクト「ドイツは話す」――ドイツ社会に提示されたひとつの処方箋
穂鷹知美
-
スウェーデンの主権者教育と政治参加
渡辺博明
-
深まる社会民主主義政党のジレンマ
近藤康史
-
「保守/リベラル」という図式ははたして有効か
山本昭宏
-
ウォーク・アウェイ運動――アメリカのリベラル派はなぜ嫌われるのか
西山隆行
-
スウェーデンの「IT ガイド」――移民と高齢者が進めるインテグレーション
穂鷹知美
-
「革新」が目指したもの――江田三郎と向坂逸郎
岡田一郎
-
肉食と環境保護――非菜食主義の環境倫理学者が言えること
熊坂元大